VS 2017でプログラムを作ってみよう。VS 2017では、1つの「(VS 2017の)プロジェクト」から1つの「プログラム」(ここでは.NETプログラム)が生成できる。
「プロジェクト」とは、プログラムの生成に必要な複数のファイル(「ソースファイル」と呼ばれる)をまとめたものである。つまり、プロジェクトとはVS 2017独自のフォルダのようなもので、複数のソースファイルをまとめて管理するための入れ物である。
そして「ソースファイル」とはソースコードを記述したファイルのことで、「ソースコード」とはプログラミング言語(例えば、Visual C#、Visual Basicなど)によってプログラムの動作内容を定義したものだ(要するに、ソースファイルとはプログラミング言語で書いたプログラムの設計書といえる)。
プログラムを作成するには、まず、このVS 2017のプロジェクトを1つ新規に作成する必要がある。これには、IDEのメニューバーから[ファイル]―[新規作成]−[プロジェクト]を選択する。あるいは、VS 2017に[スタート ページ]タブが表示されているのなら、画面中央下部にある[新しいプロジェクト]の[その他のプロジェクト テンプレート]リンクをクリックしてもよい。
「プロジェクトの新規作成」の実行すると、次の[新しいプロジェクト]ダイアログが表示される。このダイアログで、「使用するプログラミング言語(ソースコードを記述するための言語)」と「これから作成するプログラムの種類」を選択する。
[新しいプロジェクト]ダイアログ*1 使用しているコンピュータにインストールされていないバージョンの.NET Frameworkを指定するには[<その他のFramework...>]という選択肢をクリックする。すると、Webページが表示されるので、ここで必要なものをダウンロードしてインストールする。
あるいは[テンプレート]以下に表示されているツリーを下までスクロールしていく。すると[Visual Studio インストーラーを開く]という項目があるので、これをクリックしてもよい。これにより、インストーラーが表示されるので、[個別のコンポーネント]タブでインストールする.NET Frameworkを選択する。
「使用するプログラミング言語」については、使用するエディションにもよるが、VS 2017では次の言語が使用可能だ(2017年4月7日時点。Pythonは本稿執筆時点ではサポートから外れているが、近いうちにサポートが復活するはずだ)。
VSの世界ではVisual C#(以降、単に「C#」とする)とVisual Basicが有力なプログラミング言語として利用されてきたが、本連載ではC#を用いる。もちろん、読者がVBプログラマーであろうとプログラミング初心者であろうと、本稿で示すソースコードの内容が十分に理解できるよう、コードの解説は懇切丁寧に行うつもりだ(その解説内容はVBにも応用可能なはずである)。
使用するプログラミング言語は、[新しいプロジェクト]ダイアログの左側のペーンに表示されているツリーから選択できる。上の画面では[Visual C#]が選ばれている。もちろん、ダイアログで使用したい言語を選択すれば、使用するプログラミング言語はいつでも変更できる(また、直近に作成したプロジェクトで使用したプログラミング言語が[新しいプロジェクト]ダイアログでは優先して表示されるようだ。つまり、前回にC#のプロジェクトを作成していれば、今回もC#を利用するプロジェクトが優先してダイアログに表示される)。
次に「プログラムの種類」だが、VS Community 2017とC#の組み合わせでは「.NETプログラム」「UWPアプリ」など、さまざまな種類のプログラムが作成できる。「.NETプログラム」(以降、単に「プログラム」と表記する)の種類の中で代表的なものは、ユーザーインタフェース(UI:User Interface。ユーザーに情報を表示し、入力を受け付ける画面)を持つ次の3つのアプリケーションだ。まずはこの3種類を覚えておこう。
ユーザーインタフェースを持つ3種類のアプリケーションこれらのプログラムの種類は、[新しいプロジェクト]ダイアログに表示される「テンプレート」から選択できる。
本稿では最初に、C#をプログラミング言語として「Windowsアプリ」を作成してみることにする。それには、[新しいプロジェクト]ダイアログの左側のペーンで[Visual C#]を選択し、ダイアログ中央に表示された「テンプレート」から[Windows フォーム アプリケーション]を選択する。そしてそれ以外の項目は変更せずに[OK]ボタンをクリックする。
Windowsアプリケーションのプロジェクトの新規作成以上で、Windowsアプリケーションのプロジェクトが新規に作成できた。次に、早速この作成されたプロジェクトからプログラムを生成して、動かしてみよう。
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