現行の民法で瑕疵担保責任について端的に記述してあるのは、以下の部分だ。
第六百三十五条
仕事の目的物に瑕疵があり、そのために契約をした目的を達することができないときは、注文者は、契約の解除をすることができる。(後略)
第六百三十七条
前三条の規定による瑕疵の修補又は損害賠償の請求及び契約の解除は、仕事の目的物を引き渡した時から一年以内にしなければならない。(後略)
これをシステム開発に当てはめて考えると、「ベンダーが作ったソフトウェア(目的物)に瑕疵(バグなどの不具合)があって、役に立たないものであれば、ユーザーなど注文者は契約を解除できるし、無償の修正作業も請求できる。損害が出れば、その賠償も請求できるが、その解除や損害賠償請求は引き渡しから1年以内でなければならない」ということになる。
この「1年間の瑕疵担保責任」は、請負契約書などにもよく書かれるので目にしたことがある読者も多いだろう。
改正案では、「瑕疵担保責任」という言葉が消えてなくなっている。改正案のこれに対応する部分は、以下の条文だ。
 検収後に発覚した不具合の補修責任はどこまであるのか
検収後に発覚した不具合の補修責任はどこまであるのか 不具合の数が幾つ以上だと、裁判で瑕疵と判断されるのか
不具合の数が幾つ以上だと、裁判で瑕疵と判断されるのか もしもシステムの欠陥により多額の損害賠償を求められたら
もしもシステムの欠陥により多額の損害賠償を求められたら このシステム、使えないんでお金返してください
このシステム、使えないんでお金返してください 「ジェイコム株誤発注事件」に見るシステムの瑕疵判断とその対応(前編)
「ジェイコム株誤発注事件」に見るシステムの瑕疵判断とその対応(前編)Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.