米IBMとソフトバンクロボティクスホールディングスは、Pepper向けのIBM Watsonを開発し、世界の企業に提供する計画を明らかにした。Watsonの日本語対応も推進する。
米IBMとソフトバンクロボティクスホールディングス(SBRH)は2016年1月7日、ソフトバンクの人型ロボット「Pepper」向けの「IBM Watson」(以下、Watson)を開発し、世界の企業に提供する計画を明らかにした。今後1年で両社は、Watsonの日本語対応を推進し、Watsonを活用した新しいアプリケーションのためのAPI提供の技術基盤をローカライズする。
IBMとSBRHは、ソーシャルメディアやビデオ、画像、テキストといったデータに隠された「意味」を、Watsonを搭載したPepperが把握できるようにするため、IoT(Internet of Things)から得られる幅広いデータや知識を活用する。Watsonはオープンな「コグニティブ・コンピューティング・テクノロジー」基盤。機械学習や自然言語処理などの技術で構成されている。「コグニティブ」とは「認知/認識の」などと訳されるが、ここでは学習に基づく推論や判断、分析などの意味で用いられている。開発中のWatsonを搭載したPepperは、基幹機能に加えてWatsonのソフトウェア開発キット(SDK)を備えている。
IBMは、他にもサービス業や消費財関連企業と協力してロボット技術に取り組んでいる。小売業での現在のセルフサービス環境は、通常タブレットかキオスク端末を利用したもので、真にインタラクティブで直感的な顧客体験の範囲は限られている。
PepperにWatsonを搭載することで、ユーザーがコグニティブ・コンピューティングを体験する方法を拡充できるという。さらに、教室内の教師アシスタントから看護補助まで、Watsonのコグニティブ機能を備えたPepperのヒューマノイド型ロボットとしての物理的特性を活用して、幅広い使用例を研究し、多様な業界に対して新しい方法で人々を支援するとしている。
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