「OpenStack」や「Docker」「Spark」といったデータセンターアーキテクチャ向けに、特定の処理にFPGAをアクセラレーターとして利用する仕組みをIBMが正式に展開する。コンピューティングリソースの負荷を低減し、エネルギー効率を高める。
米ザイリンクスは2015年11月16日(米国時間)、米IBMと複数年にわたる戦略的提携を締結したと発表した。IBMのPower SystemsにザイリンクスのFPGA(Field Programmable Gate Array)を組み込んで特定処理のアクセラレーターとして利用することで、エネルギー効率の高いデータセンター向けシステムを構築する。
両社はソフトウエアやミドルウエアを共同開発して、機械学習やネットワーク機能仮想化(NFV)、ゲノム解析、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)、ビッグデータ解析などのアプリケーションに対応する。具体的には、IBMの開発者はザイリンクスのFPGAを使用して、POWERプロセッサーベースのサーバーやストレージ装置、ミドルウエアシステム用のソリューションスタックを「OpenStack」や「Docker」「Spark」といったデータセンターアーキテクチャ向けに作成する。
さらにIBMは、Power Systemsサーバーに搭載するザイリンクスのFPGAを使ったアクセラレーターボードの開発と認定も行う。一方のザイリンクスは、自社の開発環境「SDAccel」とライブラリのPOWERプロセッサー対応版を開発し、OpenPOWER開発者コミュニティ向けに提供する。
POWERアーキテクチャーが持つ「CAPI(Coherence Attach Processor Interface)」を活用した最適化も推進する。CAPIは、PCIe経由の通信をカプセル化するプロトコル。OSやデバイスドライバーなどを介さずに接続するため、通信のオーバーヘッドになる層を回避できる。
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