仮想化環境を前提としたHadoopディストリビューションPivotal HDの日本国内での販売がスタートした。
Pivotalジャパンは2014年2月4日、「Pivotal HD Enterprise」(Pivotal HD)と、Pivotal HD向けのSQLクエリ処理実行環境である「HAWQ」の日本国内での販売を開始した。
Pivotal HDは、Apache Hadoopをベースにしたディストリビューションだ。仮想マシン環境上での動作を前提としており、一元的な構成管理・監視を実現する機能や仮想基盤上のHadoop最適化機能が盛り込まれている。
一方のHAWQは、DWH製品である「Greenplum Database」におけるデータ処理技術を継承しているという。HAWQのクエリ応答性能は、Hive(関連記事1、関連記事2)と比較して「数十倍から数百倍の高い性能」を実現しているという(プレスリリースより)。また、標準SQLに完全準拠していることから、既存の分析アプリケーションの変更なしに利用できるとしている。
Pivotal HDは、Hadoop 2.0系をベースに採用している(関連記事)。Hadoopが2系で盛り込んだデータノードの可用性を高めるHDFS FederationやName Node HA、ノード間通信を暗号化するKerberos認証モジュールなどが利用できる。
独自に提供する構成管理ツールである「Pivotal Command Center」はVMware vSphere上で動作するHadoop環境のシステム性能最適化のための拡張機能「HVE(Hadoop Virtualization Extensions)」を実装している。
Pivotal HD Enterpriseは1ノードあたり27万2550円、HAWQは74万9100円(いずれも年間サブスクリプションライセンス、参考価格)。
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