OpenStackプロジェクトにおいて分散オブジェクトストレージ構築を担うSwiftの最新版がリリースされた。地理的に離れた構成を扱えるようになっている。
クラウドインフラ構築ソフトウェアであるOpenStackの構成要素のうち、クラウド環境において分散オブジェクトストレージを提供する「Swift」コンポーネントの新バージョン1.9.0がリリースされた。Swift開発のコアメンバーであるジョン・ディキンソン(John Dickinson)氏が、開発者向けMLや自身のブログでアナウンスしている。
Swist 1.8.0に含まれていた「リージョン」という概念は、レプリケーションネットワークを使用し、関連付け設定の読み書きをサポートするように強化され、「グローバルクラスタ」として機能するという。大陸をまたぐような地理的に離れた構成を単一のSwiftクラスタで扱えるようになっており、可用性・信頼性を向上させているという。これに関連して、データの位置付けを指定するリージョン情報の追加、レプリケートの回数調整機能の追加、セパレートレプリケーションネットワークのサポートなども行われている。
ディスクパフォーマンスの改善として、オブジェクトサーバがストレージプールを使ってストレージノードのスループット向上を図っている。パフォーマンスに応じでディスクオペレーションもリロードする仕様に変更している。
また、LinuxなどのOSで用いられることの多いconfig.d/形式の設定ディレクトリの参照が可能になっている。一部の設定のみで別のパラメータを指定できるようになった。
この他、オブジェクトレプリケータで使うrsyncの帯域幅の制限が可能になっており、トランザクションIDにおいては、タイムスタンプとオプションサフィックス情報も追加されているという。
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