以上で準備は終わりである。後はActive Directoryのインストール用ウィザードを実行すれば、ほとんど何も入力することなく、自動的にActive Directoryがインストールされる。
Active Directoryドメイン・サービスのインストール・ウィザードを起動するには2つの方法がある。1つは[サーバ マネージャ]の[役割の追加]で、[Active Directory ドメイン サービス]役割を追加後、dcpromoコマンドを実行する。だが役割の追加をスキップして、最初からdcpromoコマンドを実行してもよい。ここでは、[スタート]メニューの[ファイル名を指定して実行]か、コマンド・プロンプト上で「dcpromo」と入力して実行してみよう。
dcpromoを起動すると、自動的にActive Directoryドメイン・サービスがインストールされ、次のようなウィザード画面が表示される。後は指示に従って、必要なパラメータを入力して先へ進めればよい。以下、ウィザードの画面を順に紹介する。
Active Directoryのインストール・ウィザードの開始次の画面では、新規ドメインの作成を選択して次へ進む。「既存のフォレスト」を選択すると、追加のドメイン・コントローラとしてセットアップできる。
次の画面ではActive Directoryのドメイン名(DNSのドメイン名)を指定する。今回は「example.co.jp」とする。
Active Directory/DNSのドメイン名の指定次の画面ではNetBIOSドメイン名を入力する。DHCPでWINSサーバの情報が配布されていて、すでに同名のNetBIOSドメイン名がWINSサーバに登録されていたりすると、衝突を回避するために自動的に「EXAMPLE0」などにされたりする。NetBIOSドメイン名は今回のような仮想テスト環境では何でもよいので、提示された名前のまま先へ進めておけばよいだろう。
NetBIOSドメイン名の入力次の画面ではフォレストの機能レベル(TIPS「Active Directoryドメイン/フォレストの機能レベルとは?」参照)を選択する。特に理由がなければ、一番高いものにしておけばよい。
フォレストの機能レベルの選択次の画面では追加でインストールされるオプションを指定する。今回はDNSサーバが自動的にインストールされるはずである。
追加でインストールされる機能Active Directoryのドメイン・コントローラが固定IPアドレスでない場合はこのような注意を促すメッセージが表示されるが、[はい]を選択して先へ進める。
動的IPアドレスに対する注意勧告まだDNSサーバがインストールされていないので、次のようなメッセージも表示されるが、これも[はい]を選択して先へ進める。
次の画面ではActive Directoryのデータベースやログ・ファイルの場所などを指定する。デフォルトのまま先へ進める。
Active Directoryのデータベースなどの保存フォルダの指定これは障害発生時にディレクトリ・サービスを復旧させるためのログオン用パスワードの指定。適当なパスワードを指定して先へ進める。
ディレクトリ・サービスの復元用パスワードの指定以上でウィザードでの入力は終わりである。確認画面の表示後、Active Directoryがインストールされる。しばらくかかるが(数分〜10分程度)、すべての作業が終了後次のような画面が表示されるので、[完了]をクリックして終了し、システムを再起動する。
Active Directoryインストール・ウィザードの完了画面Active Directoryのインストール終了後、システムを再起動すると、今度はActive Directoryのログオン画面になっているはずである。ドメインのアカウント(EXAMPLE\Administrator)とパスワード(もともとのAdministratorというローカル・ユーザー・アカウントのパスワード)を指定して、ドメインにログオンする。なおドメイン・コントローラには、ローカル・ユーザー・アカウントはない(元の「<コンピュータ名>\Administrator」はドメインのAdministratorになっている)
ログオン後、サーバ・マネージャの画面を見ると、Active DirectoryとDNSの管理ツールがインストールされ、Active DirectoryやDNSの管理ができるようになっているはずだ。
サーバ・マネージャの例今回は仮想マシン上にシングル・フォレスト/シングル・ドメインのActive Directoryドメインを作成する一番基本的な手順を解説した。次回は、復元ディスクについて解説する。
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