Android 1.6には「Gesture Builder」というアプリが付属しています。このアプリはジェスチャーを作成して、SDカードにGestureLibrary形式のファイルとして保存するものです。
名前の横にサムネイルが表示されていますが、これはGesture#toBitmap()メソッドでBitmapを作れば実現できそうです。
「Gestures on Android 1.6」では、Android公式のジェスチャーの使い方についての説明があります。また、このページからリンクされているサンプルは、上記Gesture Builderで作成したGestureLibrary形式のファイルをリソースファイルとして使用するアプリケーションです。ソースコードがあり、行数もとても短いので、参考にしてみてください。
Android 1.6から「TextToSpeech」という、テキスト読み上げAPIが追加されました。現時点でサポートしているのは、英語やフランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語です。
TextToSpeechは、使い方は簡単ですが、きちんと実装しようとすると、実は難しいです。まずは、簡単な側面から見ていきましょう。以下のリンクより、サンプルアプリをダウンロードしてください。
画面は、以下のような感じです。
ソースコードはとても短いので、すべて掲載します。
package com.example.android.tts;
import android.app.Activity;
import android.os.Bundle;
import android.speech.tts.TextToSpeech;
import android.speech.tts.TextToSpeech.OnInitListener;
import android.view.View;
import android.view.View.OnClickListener;
import android.widget.Button;
import android.widget.TextView;
public final class Main extends Activity implements OnInitListener, OnClickListener {
private TextToSpeech tts;
@Override
protected void onCreate(final Bundle savedInstanceState) {
super.onCreate(savedInstanceState);
setContentView(R.layout.main);
tts = new TextToSpeech(getApplicationContext(), this);
Button Button01 = (Button)findViewById(R.id.Button01);
Button01.setOnClickListener(this);
}
@Override
protected void onDestroy() {
super.onDestroy();
tts.shutdown();
}
@Override
public void onInit(int status) {
if (status == TextToSpeech.SUCCESS) {
tts.speak("I'm ready!", TextToSpeech.QUEUE_FLUSH, null);
} else {
System.out.println("Oops!");
}
}
@Override
public void onClick(final View v) {
TextView TextView01 = (TextView)findViewById(R.id.EditText01);
tts.speak(TextView01.getText().toString(), TextToSpeech.QUEUE_FLUSH, null);
}
}
以下に、このサンプルの注意すべき個所をピックアップします。
これだけ知っていれば、簡単にAndroidにしゃべらせることが可能です。
では、次に難しい側面を見てみましょう。
TextToSpeechの一番厄介なのは、エンジンが非同期で動作することでしょう。もちろん、しゃべらせている間呼び出しがブロックするのは困るので、非同期で動作してくれないと困るのですが、非同期で動作することで考慮しなければならないのは、以下のような点です。
作りが簡単なため、今回のサンプルでは、これらを考慮してありませんが、本来はきちんと対応しなければならないところです。
現時点で5カ国語をサポートしていますが、今後はさらに増えていくことが予想されます。TextToSpeechを使用したアプリで、かつ国際化対応する場合、適切に言語を設定する必要があります。ただし、こちらはそれほど難しくありません。
TextToSpeechには、今回紹介した以外にも、以下のような機能があります。
これらの機能を使用すれば、より豊かなスピーチをAndroidにさせることができるようになるでしょう。
Android 1.6で追加された2つのAPIをざっと紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
今後は、ジェスチャーやテキスト読み上げを使用したアプリがマーケットにも登録されていくと思います。特に、ジェスチャーは使い方次第でアプリがとても便利に、面白くなる仕組みだと思います。
次回は、リリースされたばかりのAndroid 2.0の新機能を紹介します。
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