AIで社内の非構造化データを”見える化”できるAIサービス DNPが提供開始:レイアウトや図表もナレッジとして活用可能に
大日本印刷は、非構造化データを企業内で共有できる形に変換するサービス「DNPドキュメント構造化AIチャットボット」の提供を開始すると発表した。
大日本印刷(DNP)は2025年9月5日、AI(人工知能)サービス「DNPドキュメント構造化AIチャットボット」を発表した。これは、PDFをはじめとする「非構造化データ」をAIで活用できる形に変換し、属人的に蓄積されていた知識を組織全体で共有できるようにするものだ。
参照頻度が高い非構造化データの業務活用を推進
企業は、自社に蓄積されたさまざまな情報をAIを使って活用しようしている。だが、非構造化データの存在がAI活用を妨げているとDNPは指摘している。
「提案書や報告書、設計資料、業務マニュアルなど参照頻度が高い社内文書は、複数のサーバや個人PCに散在し、検索や利活用が困難な場合がある。さらに、社内文書は、AIが正確に理解したり処理したりできる体裁になっていない場合があり、効率的なナレッジの活用を阻害する要因となり得る」(DNP)
DNPドキュメント構造化AIチャットボットはこうした課題解決を目的に開発された。PDFファイルや「Microsoft Word」「Microsoft PowerPoint」で作成したファイルなどの非構造化データを解析し、業務に即したナレッジとして活用可能な形式に変換する。セルが結合しているシートやプロセス図など、AIだけでは処理しにくい箇所は専門のオペレーターが補正することで、正確かつ迅速なデータ変換を実現するという。
ナレッジの漏えいリスクにも配慮しており、部門やプロジェクト単位でナレッジのアクセス権限を設定可能だ。これによって「情報漏えいのリスクを抑えながらチーム内で安全にナレッジを共有できる」とDNPは説明している。
DNPは今後、利用企業や自治体からのフィードバックを基に、扱えるデータ範囲を図面や画像まで拡張する計画だ。
このニュースのポイント
Q: DNPが発表した新サービスは何か?
A: 「DNPドキュメント構造化AIチャットボット」で、PDFなどの非構造化データをAIで活用可能な形式に変換し、組織全体で知識を共有できるようにするサービス。
Q: 企業が抱える非構造化データの課題は何か?
A: 提案書や報告書、設計資料、業務マニュアルなどが複数サーバや個人PCに散在して検索や活用が困難であり、AIが正確に処理できない体裁も多く、ナレッジ活用を阻害している。
Q: ナレッジのセキュリティ対策はどうなっているか?
A: 部門やプロジェクト単位でアクセス権限を設定でき、情報漏えいリスクを抑えつつチーム内で安全にナレッジを共有できる。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
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