VS Codeフォーク、話題のAIコーディングエディタ「Cursor 1.0」公開 開発にどう便利なのか?:自動コードレビュー、MCPサーバのワンクリックセットアップなどが利用可能に
Anysphereは2025年6月4日、AIコーディングエディタ「Cursor」の正式版「Cursor 1.0」を公開した。自動コードレビュー機能の他、MCPサーバやOAuthにも対応している。
Anysphereは2025年6月4日(米国時間)、AIコーディングエディタ「Cursor」の正式版「Cursor 1.0」を公開した。
Cursorは、Microsoftの「Visual Studio Code」のフォーク(派生)として開発され、AIに最適化されている。Cursor 1.0では、「BugBot」機能による自動コードレビューや、ワンクリックでのMCP(Model Context Protocol)サーバのセットアップなど、多くの新機能が追加された。
「BugBot」による自動コードレビュー
BugBotは、「GitHub」のプルリクエストを自動的にレビューし、潜在的なバグや問題を検出すると、コメントを残す。コメントとともに表示される「Fix in Cursor」をクリックすると、修正用のプロンプトが入力された状態でエディタに戻れる。
リモートコーディングエージェント「Background Agent」
「Background Agent」は、リモート環境でコードの編集や実行ができる非同期型のエージェントだ。これまで一部ユーザー向けだったが、このたび全ユーザーに開放された。ユーザーは、Background Agentの状態をいつでも確認したり、フォローアップを送ったり、作業を引き継いだりできる。
プライバシーモードを無効にしている場合は、チャットのクラウドアイコンをクリックするか、[Cmd]+[E]キー(Mac)または[Ctrl]+[E]キー(Windows)を押すことで、使い始められる。Anysphereは「近いうちに、プライバシーモードを有効にしていても、Background Agentを利用できるようにする」としている。
「Jupyter Notebook」でのエージェント
Cursorのエージェントが「Jupyter Notebook」内で、複数のセルを直接作成、編集できるようになった。ただし、2025年6月時点では、「Claude 3.7 Sonnet」をはじめとする「Sonnet」モデルでのみサポートされている。
会話内容を記憶する「Memories」機能(β版)
Memoriesは、会話の内容を記憶し、後で参照できる機能で、2025年6月現在はβ版となっている。この“記憶”はプロジェクトごと、かつ個人レベルで保存され、設定画面から管理できる。利用を開始するには、設定画面の「Rules」から有効にする必要がある。
ワンクリックでのMCPサーバのセットアップとOAuthサポート
MCPサーバをワンクリックでセットアップできるようになった。OAuth(Open Authorization)に対応しているMCPサーバであれば、面倒なトークン発行や手動設定をせずに認証が可能だ。
Anysphereは、Cursorに追加できる公式MCPサーバのリストを公開している。公式ドキュメントでは、MCPサーバの開発者向けに、ドキュメントやREADMEに「Add to Cursor」ボタンを設置する方法も紹介されている。
チャット応答がビジュアル表現に対応
チャットの中で視覚的な表現をレンダリングできるようになった。MermaidダイヤグラムやMarkdownテーブルの生成、表示が可能になった。
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