今すぐ試せる 「Gemini 2.5 Pro Preview(I/O edition)」をGoogleが前倒しで提供開始:フロントエンドやUI開発の性能を大幅に強化
Googleは「Gemini 2.5 Pro Preview(I/O edition)」への早期アクセスを可能にしたと発表した。同年3月に試験運用版(Gemini 2.5 Pro Experimental)をリリースした「Gemini 2.5 Pro」の最新版となる。
Googleは2025年5月6日(米国時間、以下同)、「Gemini 2.5 Pro Preview(I/O edition)」への早期アクセスを可能にしたと発表した。当初は開発者向け年次カンファレンス「Google I/O」(2025年5月20〜21日開催)に合わせてリリースする予定だったが、「Gemini 2.5 Pro」が好評を博しているため、開発者が最新版を使った開発をより早く始められるように、前倒しで提供するという。
「WebDev Arena Leaderboard」で首位を獲得
Gemini 2.5 Proは、“ネイティブなマルチモダリティ”と“ロングコンテキストウィンドウ”(つまり、多様な情報を一括で処理し、長いプロンプトも理解できる)という「Gemini」モデルの長所をベースに開発されている。
Gemini 2.5 Pro Preview(I/O edition)の特徴は、コーディング能力が強化されている点にある。フロントエンドとUI(ユーザーインタフェース)開発において大幅に性能が改善されており、コードの変換や編集といった基本的なコーディングタスクや、高度なエージェント型ワークフローの作成においても性能が向上している。
フロントエンドとUI開発の性能向上によって、「Gemini 2.5 Pro Preview(Gemini-2.5-Pro-Preview-05-06)」は発表時点(2025年5月6日)で、「WebDev Arena Leaderboard」(見栄えのする機能的なWebアプリケーションを開発するAI〈人工知能〉モデルの性能を評価する協議会「WebDev Arena」のランキング)で首位を獲得している。
こうした能力が評価され、Gemini 2.5 Proはコードエディタ「Cursor」のAIコードエージェント機能として採用されている。さらにGoogleは、開発者向けAIエージェント「Devin」を開発、提供するCognitionや、AIが開発を支援する統合開発環境(IDE)を提供するReplitのような企業との協業を推進している。
Gemini 2.5 Proは高い動画理解能力も備えており、「VideoMME」(多様な情報源を統合する理解能力を評価する指標)で84.8%のスコアを記録している。これをコーディング能力と組み合わせることで、従来版では不可能だった新しいフローが可能になるとGoogleは述べている。例えば、「Google AI Studio」(ブラウザ内でプロトタイプを作成し、プロンプトを実行できるWebベースツール)で試せるサンプルアプリケーション「Video to Learning App」は、Gemini 2.5 Proが「YouTube」動画に基づいてインタラクティブな学習アプリケーションを作成できることを示している。
開発者はGoogle AI Studioと、Google Cloudのフルマネージド統合AI開発プラットフォーム「Vertex AI」で、Gemini APIを介してGemini 2.5 Pro Preview(I/O edition)を利用できる。また、Geminiアプリケーション(Web版Gemini)のユーザーに提供される「Canvas」(対話型の文書作成やコーディングが可能な機能)のような機能でも、この最新版Gemini 2.5 Proが利用されている。
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