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Docker AI AgentがMCPを採用 「Docker Desktop 4.40」公開生成AIアプリ開発を支援する新機能を追加

Dockerは、さまざまなOS上にDocker開発環境を構築できる「Docker Desktop」の最新版「Docker Desktop 4.40」を公開した。ローカルでのAIモデル実行サポート、Docker AI AgentのMCP対応、「AI Tools for Devs」拡張機能のアップデートなど、複数の機能が追加されている。

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 Dockerは2025年4月1日(米国時間)、さまざまなOS上にDocker開発環境を構築できる「Docker Desktop」の最新版「Docker Desktop 4.40」の一般提供を開始した。

 Docker Desktop 4.40のハイライトは以下の通り。

Docker AI AgentがMCPを採用 Docker Desktop 4.40のハイライト

Docker Model Runner(β版)

 ローカルでAIモデルを簡単に実行できる「Docker Model Runner」のβ版が追加された。

 Docker Model Runnerでは、追加のセットアップやツール間の移動、インフラストラクチャの管理なしに、AIモデルをローカルで実行することをサポートしている。また、Apple SiliconのGPUアクセラレーションでパフォーマンスを向上できる。さらに、OCI(Open Container Initiative)に準拠するモデルパッケージングにより、既存のコンテナレジストリやCI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)ワークフローを使用してモデルのバージョン管理、保存、配布ができるという。

 「llama.cppを搭載しており、OpenAI API経由でアクセス可能な組み込み推論エンジンにより、モデルの実行はコンテナの実行と同様に容易だ。macOSでは、ホストベースの実行機能によりハードウェアに直接アクセスし、追加の労力をかけずに処理を高速化する」(Docker)

Docker Model RunnerとCLIコマンドを使用してローカルでモデルを実行する(提供:Docker)
Docker Model RunnerとCLIコマンドを使用してローカルでモデルを実行する(提供:Docker)

Docker AI AgentがMCPを採用 Docker AI AgentをDocker以外にも拡張

 Docker AI Agentは以下のような開発者向け機能を新たにサポートした。

  • シェルコマンドの実行
  • Git操作の実行
  • リソースのダウンロード
  • ローカルファイルの管理

 セキュリティ分析サービスである「Docker Scout」との統合により、DockerfileまたはDockerイメージのセキュリティ分析の実行など、Dockerエコシステムの他のツールもサポートするという。

 また、Docker AI Agentは、Model Context Protocol(MCP)を採用した。外部データやツールに接続し、特定のニーズに合わせてより強力にAIエージェントやモデルをカスタマイズできる。Docker AI AgentはMCPクライアントとして機能する他、多くの機能がMCPサーバとして他のMCPクライアントから利用できるようになる。つまり、Docker Desktop、Claude DesktopやCursorなど他のMCPクライアントからDocker AI Agentと対話できるようになる。

MCPカタログを含む多くのツールを使用してDocker AI Agentの機能を拡張できる(提供:Docker)
MCPカタログを含む多くのツールを使用してDocker AI Agentの機能を拡張できる(提供:Docker)

「AI Tool Catalog」拡張機能のアップデート

 さまざまなMCPサーバを探すためのプラットフォームとして「AI Tool Catalog」拡張機能が改善された。APIキーなどMPCサーバのシークレット(機密情報)の安全な処理に対応し、ログインと認証情報管理が簡素化された。

ポリシーの適用状況を監視するDocker Desktop Setting Reporting

 Docker Businessユーザー向けに、Docker Desktopのコンプライアンスを監視する「Docker Desktop Setting Reporting」の提供が開始された。

 Docker Desktop 4.36で導入されたDesktop Settings Management機能に基づいており、管理者は組織全体のポリシーに準拠していないシステムやユーザーを迅速に特定して対処できるという。

 「早期アクセスとして展開されており、近日中に管理画面から専用のダッシュボードにアクセスできるようになる」と、Dockerは述べている。

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