プロンプトの入力によってフルスタックWebアプリを開発、実行、編集、デプロイできる「Bolt.new」が登場 AIで開発作業はどこまで楽になる?:一般的なJavaScriptフレームワークとライブラリをサポート
StackBlitzは、プロンプト入力によるフルスタックWebアプリ作成ツール「Bolt.new」を紹介するXの投稿を公開した。本記事ではBolt.newの特徴や使用方法などを紹介する。
StackBlitzは2024年10月4日(米国時間)、プロンプトの入力によってフルスタックのWebアプリを作成できるツール「Bolt.new」をXで発表した。同社はオンラインIDE(統合開発環境)を開発・提供する企業。Bolt.newをGitHubで以下のように紹介している。
Bolt.newはAI(人工知能)を搭載したWeb開発エージェントだ。プロンプトの入力により、ブラウザから直接フルスタックアプリケーションを作成、実行、編集、デプロイできる。なお、StackBlitzはBolt.newの中核的なコードを、オープンソースとして提供している。
Bolt.newの特徴――開発作業はどこまで楽になる?
Bolt.newは、パッケージのインストールや、バックエンドでの実行、コード編集ができる。
AIモデルと「WebContainers」(※)を統合しており、以下のような機能を備えている。
(※)StackBlitzが提供しているブラウザ上で開発環境を構築するためのツール
- npmツールやライブラリ(『Vite』『Next.js』など)のインストールと実行
- Node.jsサーバの実行
- サードパーティーAPIとの連携
- チャットから本番環境へのデプロイ
- URLを介した作業の共有
AIによる環境制御
AIがコード生成支援しかできない従来の開発環境とは異なり、Bolt.newでは、AIモデルがファイルシステム、ノードサーバ、パッケージマネージャー、ターミナル、ブラウザコンソールを含む環境全体を完全にコントロールできる。これにより、AIエージェントはアプリの作成からデプロイまで、アプリのライフサイクル全体を処理可能だ。
Bolt.newを使うと、プロダクショングレードのフルスタックアプリケーションを簡単に構築できる。Bolt.newはほとんどの一般的なJavaScriptフレームワークとライブラリをサポートしているため、StackBlitzで動作するものは、Bolt.newでも動作する。
ヒントとコツ
Bolt.newを最大限に活用するためのヒントとコツを幾つか紹介する。
スタックを特定する
特定のフレームワークやライブラリ(『Astro』『Tailwind CSS』『shadcn/ui』、その他の一般的なJavaScriptフレームワークなど)を使いたい場合は、Boltが適切にプロジェクトを構築できるように、最初のプロンプトでスタックを明記する。
「enhance」アイコンを活用する
プロンプトを送信する前に、「enhance」アイコンをクリックするとAIモデルがプロンプトを改良する。その結果を編集してから送信する。
基本を固めてから、機能を追加する
より高度な機能に飛び込む前に、アプリケーションの基本構造が整っていることを確認する。これによりBoltがプロジェクトの基礎を理解し、より高度な機能を構築する前に全てが正しく設定されていることを確認できる。
簡単な命令のバッチ化
簡単な指示を1つのメッセージにまとめることで時間を節約できる。例えば、カラースキームの変更、モバイル対応の追加、開発サーバの再起動などをBoltに一括で依頼でき、時間とAPIクレジットを大幅に抑えられる。
Bolt.newの始め方
Bolt.newは無料で始められる。より多くのAIトークンが必要な場合やプライベートプロジェクトが必要な場合は、アプリケーションの左下にある「Bolt.new」から有料サブスクリプションを購入できる。1日の無料トークンの上限に達すると、翌日まで、またはプランをアップグレードするまで、AIインタラクションは一時停止される。
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