検索
ニュース

「まだTelnetを使い、インターネットに公開している企業がある」 ExtraHopが警告最も多く公開されていたプロトコルはSSH

ExtraHopは、サイバーセキュリティ体制に関するレポート「ExtraHop Benchmarking Cyber Risk and Readiness」で、多くの企業がSMBやSSH、Telnetといったプロトコルをインターネットに公開している状態だということを明らかにした。

Share
Tweet
LINE
Hatena

 ExtraHop Networksは2022年8月10日、サイバーセキュリティ体制に関するレポート「ExtraHop Benchmarking Cyber Risk and Readiness」で、多くの企業がSMB(Server Message Block)やSSH(Secure Shell)、Telnetといったプロトコルの通信をインターネットに公開している状態であることを明らかにした。

画像
ExtraHop NetworksのWebページから引用

 同社は「意図的であれ、偶発的であれ、こうしたプロトコルを通じてサイバー攻撃者によるネットワークへの侵入が容易になり、企業に対する攻撃リスクが増大する」と警告している。

非推奨のTelnetだが、12%の企業が利用

 このレポートは、ExtraHop Networksが世界の企業のIT環境を分析して、開いているTCP/IPポートと、インターネットに公開されている通信プロトコルを観点に、企業のサイバーセキュリティ体制を調べたもの。それによると、企業が公開しているプロトコルとセキュリティには幾つかの特徴があるという。

最も多く公開されていたプロトコルはSSH

 通信プロトコルの中で、最も多く公開されていたプロトコルはSSHで64%だった。なお、この割合は「1台以上の機器から、インターネットにSSHが公開されていた企業の割合」を指す。ExtraHop Networksは「SSHは多用されているプロトコルの1つで、企業システムへの侵入をもくろんでいるサイバー犯罪者にとって格好の標的だ」と指摘している。

FTPやTelnetを公開状態で利用している企業がある

 FTP(File transfer protocol)はファイルをストリームとして送信しており、実質的にはセキュリティが確保されていない。ユーザー名とパスワードを含むデータをプレーンテキストで送信するため、傍受されやすいとExtraHop Networksは指摘している。なお、1台以上の機器から、インターネットにFTPが公開されていた企業の割合は36%だった。

 Telnetは、現在では利用が推奨されていない古いプロトコルだ。にもかかわらず、1台以上の機器から、インターネットにTelnetが公開されていた企業の割合は12%だった。ExtraHop Networksは、自社のネットワーク上でTelnetを検出した場合は無効化するよう勧めている。

 ExtraHopでCISO(最高情報セキュリティ責任者)を務めるJeff Costlow氏は、「ポートやプロトコルは、攻撃者がネットワークを使って攻撃するためのドアや玄関のようなものだ。そのため、自社のネットワークでどのプロトコルを実行しているのか、どのような脆弱(ぜいじゃく)性があるのかを把握することは非常に重要だ。これによって防御側は情報を基にリスク耐性を判断でき、さまざまな対策を講じ、サイバーセキュリティへの準備を高められる」と述べている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Security & Trust 記事ランキング

  1. セキュリティ運用「自動化やAI活用が不可欠」言うは易し――現状プロセスを分析する4つの方法、AIも働きやすくする3つの環境整備ポイント
  2. ドラマでは描かれないセキュリティ対策の現実――ハッカー描写の監修もする上野宣氏が示す「ゼロトラスト」の有効性と移行への3フェーズ
  3. 「個人」なら手口を知っておくだけでも有効 「情報セキュリティ10大脅威 2025」の解説書をIPAが公開
  4. Windows OSやMicrosoft Officeが「緊急」 Microsoftが2025年5月の月例セキュリティ更新プログラムを公開
  5. 「ガバナンスとセキュリティがAIエージェント活用の鍵」 IBMが新機能を発表
  6. 全社訓練や漫画などセキュリティ対策を先進するfreee、全てを守ろうとする前に考えたい「積極的諦め」とフレームワーク活用のススメ
  7. 流行中の「アタックサーフェスマネジメント」は使いものになるか? 根岸氏、辻氏、piyokango氏鼎談に見る3つの論点
  8. ドメイン名まで確認する人でも引っ掛かる? チェック・ポイントが新たなフィッシング詐欺の注意喚起
  9. 名和氏がランサムウェア7事例の教訓とともに明かす、対策を自動化、最適化、重点化する秘訣、アダマール積とは
  10. 日本企業の約8割が「VPN利用を継続」。一方、ゼロトラスト導入済み企業は2割を超える NRIセキュア