検索
連載

可変長サブネットマスク(VLSM)と経路集約ネットワークの基礎を学習する CCNA対策講座(26)(2/2 ページ)

本連載では、シスコシステムズ(以下シスコ)が提供するシスコ技術者認定(Cisco Career Certification)から、ネットワーク技術者を認定する資格、CCNA(Cisco Certified Network Associate)を解説します。2007年12月に改訂された新試験(640-802J)に対応しています。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena
前のページへ |       

正解

 a

解説

 VLSMはサブネット化されているネットワークアドレスをさらにサブネット化することができます。必要なホストの台数に応じて異なるサブネットマスクを適用でき、アドレスの効率的な割り当てが可能になります。従って、選択肢aが正解です。なお、VLSMを利用できるルーティングプロトコルはRIPv2、OSPF、EIGRPなどのクラスレスルーティングプロトコルです。

経路集約

 経路集約とは、複数のネットワークアドレスを1つのネットワークアドレスにまとめることを意味します。

 ネットワークの規模が大きくなって、サブネットワークの数が増えてくると、ルーティングテーブルに登録するネットワーク数も多くなり、多くのメモリを必要とします。経路集約を行うと複数のネットワークアドレスを1つのネットワークアドレスに集約して対向側のルータへ通知することができます。図3では、ルータAは3つのネットワーク(172.16.5.0/24、172.16.6.0/24、172.16.7.0/24)を送信することもできますが、今回は1つのネットワーク(172.16.0.0/16)に集約してルータBにアップデートを送信しています。これによってルータBのルーティングテーブルのエントリ数が縮小されることになり、ルーティングアップデートで伝える情報が減るため、収束時間を短縮することも可能になります。

図3 経路集約
図3 経路集約

 経路集約を行うためには、IPアドレッシングの割り当てをよく考えておく必要があります。経路集約は複数のネットワークの共通するビットまでを1つにまとめて集約します。ネットワークアドレスが連続した番号であれば、より多くのネットワークを集約することができます。

 例では、172.16.168.0/24〜172.16.175.0/24を集約します。最初の21ビットが共通ビットです。従って集約ルートは172.16.168.0/21となります。

<172.16.168.0/24〜172.16.175.0/24を集約する例>

*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***

確認問題2

問題

 経路集約について間違っているものを1つ選択しなさい。

a. ルーティングアップデートのサイズを縮小できる

b. 収束時間を短縮できる

c. ルーティングアップデートが頻繁に行われる

d. ルーティングテーブルのサイズを小さくする

正解

 c

解説

 経路集約を行うことにより、ルーティングテーブルのエントリ数が縮小されることになり、ルーティングアップデートで伝える情報が減るため、収束時間を短縮することも可能になります。従って選択肢cは経路集約の利点ではありません

筆者プロフィール

齋藤理恵(さいとうりえ)

グローバル ナレッジ ネットワーク ソリューション本部に在籍。Cisco認定トレーナー。トレーナー歴は11年。マイクロソフト、サン・マイクロシステムズ、シスコシステムズなどIT業界でトレーナーとして活動。現在は、グローバル ナレッジ ネットワークで、Cisco認定トレーニングコース(CCNA、CCNP)、ネットワーク系オリジナルコースを中心に講師を担当している。グローバル ナレッジ ネットワーク講師寄稿記事一覧はこちら



Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

前のページへ |