Microsoftは、「Windows 10 Insider Preview Build 18945(20H1)」で追加された「WSL 2」の新機能を紹介した。
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Microsoftは2019年7月26日(米国時間)、Windows 10の最新プレビュービルド「Windows 10 Insider Preview Build 18945(20H1)」で追加された「WSL 2」の新機能を紹介した。
WSL(Windows Subsystem for Linux)は、Windows 10がインストールされているマシンから同一マシン内のLinux環境を利用するための仕組み。WSL 2ではLinuxディストリビューションをほぼそのまま利用でき、パッケージシステムも使用できる。
Insider Preview Build 18945で追加されたWSL 2の主な新機能は以下の通り。
WSL 2の最初にリリースされたビルドでは、WSL 2が仮想マシン(VM)で動作する。このためWindowsからは、そのVMのIPアドレスを使ってLinuxネットワークのアプリにアクセスする必要があった。また逆にLinuxからは、WindowsホストのIPアドレスでWindowsネットワークのアプリにアクセスする必要があった。
Microsoftは、高い優先順位でこの状態の修正に取り組み、WSL 2の最新ビルドでは、Windowsからlocalhostを使ってLinuxネットワークのアプリに接続できるようになった。
Microsoftは今後、Linuxからもlocalhostを使ってWindowsネットワークのアプリにアクセスできるようにする計画だ。
Insider Preview Build 17093から、WSLディストリビューションは「wsl.conf」を使って構成できるようになっている。このオプションは、個々のディストリビューションを構成するのに便利だが、全てのディストリビューションに適用すべき構成がある可能性もある。
このことは、WSL 2では特に重要になっている。WSL 2ディストリビューションは全て同じVMで動作するので、このVMに対する構成は、全てのWSL 2ディストリビューションにグローバルに適用されるからだ。
そこで最新ビルドでは、WSLのグローバル構成オプションが使えるようになった。このオプションは、WSLの使用感をカスタマイズしたい玄人ユーザー向けだ。
グローバル構成オプションを使うには、自分の「Users」フォルダ(C:\Users\{yourUsername}\)に「.wslconfig」ファイルを作成する({yourUsername}は、Windowsログイン名)。.wslconfigファイルは、「.gitconfig」のようなINIファイルをモデルにしている。
最新ビルドで使えるグローバル構成オプションの中でも画期的なのが、カスタムカーネルを指定できるオプションだ。
WSL 2ではLinuxカーネルが提供されており、WSL 2はWindowsの一部として提供されているが、自分が使うLinuxディストリビューションで特定のカーネルを使いたい場合もあるかもしれない。.wslconfigファイルのカーネルオプションを使えば、マシン上のカーネルのパスを指定できる。
これによって、WSL 2のVMの起動時に、そのカーネルがこのVMにロードされる。このオプションを指定しなければ、WindowsでWSL 2の一部として提供されるLinuxカーネルが使われる。
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