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Googleスプレッドシートでセル内文字を縦書きにするのはやめましょうTech TIPS

Googleスプレッドシートで表を作成する際、複数の項目をまとめた見出しなどで文字列を縦書きにしたいこともあるだろう。そのような場合、どのように縦書きにすればよいのだろうか? Googleスプレッドシートでセル内の文字列を縦書きにする方法を紹介する。

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対象:Googleスプレッドシート


Googleスプレッドシートでセル内の文字を縦書きにする
Googleスプレッドシートでセル内の文字を縦書きにする
Googleスプレッドシートで表を作成する際、複数の項目をまとめた見出しなどで文字列を縦書きにしたいこともあるだろう。そのような場合、どのように縦書きにすればよいのだろうか? Googleスプレッドシートでセル内の文字列を縦書きにする方法と注意点を紹介する。

 「Googleスプレッドシート」で表を作成する際、項目名などを縦書きにしたいこともあるだろう。そのような場合に、セル内で文字列を縦書きにする方法を紹介しよう。また、縦書きにする際の注意点についてもまとめた。

[テキストの回転]を使って縦書きにする

 Googleスプレッドシート内で文字を縦書きにしたいセルを選択し、メニューの[表示形式]−[回転]−[縦書き]を選択すると、セル内で文字が縦書きになる。

[テキストの回転]を使って縦書きにする(1)
[テキストの回転]を使って縦書きにする(1)
縦書きにしたいセル範囲を選択し、[表示形式]−[回転]−[縦書き]を選択する。
[テキストの回転]を使って縦書きにする(2)
[テキストの回転]を使って縦書きにする(2)
選択したセル範囲の文字列が縦書きになる。

 メニューバーにある[テキストの回転]アイコン−[縦書き]アイコンを順番にクリックしてもよい。

メニューバーにある[テキストの回転]で縦書きにする
メニューバーにある[テキストの回転]で縦書きにする
メニューバーにある[テキストの回転]アイコン−[縦書き]アイコンを順番にクリックしても縦書きにできる。

 元に戻したい(横書きに戻したい)場合は、縦書きにしたセルを選択してからメニューの[表示形式]−[回転]−[なし]を選択するか、メニューバーにある[テキストの回転]アイコン−[なし]アイコンを順番にクリックする。

 なおGoogleスプレッドシートでは、縦書き以外にも「上に傾斜」「下に傾斜」「上に回転」「下に回転」で45度単位で傾けることができる他、「カスタム角度」では15度単位で傾ける角度が選択可能だ。

[カスタム角度]で文字列を傾ける(1)
[カスタム角度]で文字列を傾ける(1)
メニューの[表示形式]−[回転]−[カスタム角度]をクリックして、表示された一覧から文字列を傾けたい角度を選択する。
[カスタム角度]で文字列を傾ける(2)
[カスタム角度]で文字列を傾ける(2)
75度を選択すると、このような表示になる。

文字ごとに改行して縦書きを実現する

 少々力技だが、文字ごとに改行を挿入して、縦書きのように見せる方法もある。改行は、数式バーで改行したい位置にカーソルを移動し、[Alt]+[Enter]キーを押せばよい。

 「営業 第10部」を縦書きにすると、「1」「0」も縦になってしまい読みにくくなるが、改行を入れる場合は「10」にできるというメリットがある。

改行して縦書きを実現する(1)
改行して縦書きを実現する(1)
1文字ごとに改行を挿入する。改行は数式バーで改行したい位置にカーソルを移動し、[Alt]+[Enter]キーを押す。
改行して縦書きを実現する(2)
改行して縦書きを実現する(2)
見た目は縦書きになるが、改行が入っているので、文字列で検索できなくなる。

 ただし、文字列検索にヒットしなくなるというデメリットもあるので、改行を入れる方法は注意が必要だ。

縦書きにする際の注意点

 Googleスプレッドシートの場合、「テキストの回転」を使って縦書きにすると、「((かっこ)」や「ー(音引き)」、句読点などの文字が回転しないため、読みにくい、不自然な文字並びになってしまう。Microsoft Excelの場合、自動的に文字も回転した表示になるため、違和感のない表示になるのだが、Googleスプレッドシートはこうした処理に対応していない。

Googleスプレッドシートでは不自然な表示になるケースもある
Googleスプレッドシートでは不自然な表示になるケースもある
「((かっこ)」や「ー(音引き)」、句読点などが回転しないため、不自然な表示になってしまう。

 縦書きでも不自然に見えない文字並びにするには、かっこや音引き、句読点を90度回転した形の「︵ ︶(UnicodeのU+FE35とU+FE36)」や「|(UnicodeのU+FF5C」、「︒ ︑(UnicodeのU+FE12とU+FE11)」に置き換えるとよい。ただし、文字を置き換えてしまうので、検索にはヒットしなくなってしまうので注意したい。

 置換は、縦書きにしたセル範囲を選択してから、メニューで[編集]−[検索と置換]を選択して[検索と置換]ダイアログを開き、「検索」欄に変換したい文字、「置換後の文字列」欄に変換後の文字を入力して、「検索」欄で[特定の範囲]を選択してから[すべて置換]ボタンをクリックする。これを、不自然に見える全ての文字に対して実行する。

 置換の際、1つのセルだけを選択した状態だと、検索文字が見つからないことがあるようだ。このような場合は、見出しセルを含めて複数のセルを選択した状態で置換を実行するとよい。

不自然になる文字を置換する(1)
不自然になる文字を置換する(1)
不自然になってしまう文字を90度回転した形の文字に変更して自然な表示にする。置換したいセル範囲(2つ以上)を選択して、[編集]メニューをクリックして、[検索と置換]を選択する。
不自然になる文字を置換する(2)
不自然になる文字を置換する(2)
[検索と置換]ダイアログが表示されるので、置換前と置換後の文字を入力する。「検索」欄が[特定の範囲]になっていることを確認する。[すべて置換]ボタンをクリックすると、置換が実行される。
不自然になる文字を置換する(3)
不自然になる文字を置換する(3)
縦書きの表示は自然になるが、データ自体が変わってしまうので、検索にはヒットしなくなってしまう。

 かなり面倒な上、前述の通り、検索できなくなるなどの副作用もあるので、かっこなどが含まれた文字列を縦書きにするのはおすすめできない。

 また、音引きを「|」に置換すると、XLSX形式でダウンロードして、Microsoft Excelで読み込むと、「|」が90度回転してしまい、不自然な表示となってしまう。

Microsoft Excelにインポートした場合
Microsoft Excelにインポートした場合
見た目を自然な形に文字を変換した表をエクスポートして、Microsoft Excelで読み込む、このようになってしまう。縦書きになるように置換した音引きが回転してしまい、不自然になってしまう。

 Googleスプレッドシートの場合、このように縦書きが自然に表示できないことがある。どうしてもセルの縦方向に並べたい場合は、メニューの[表示形式]−[回転]−[上に回転]で90度回転した文字並びにするのが無難だろう。

縦書きではなく90度回転した文字が無難?
縦書きではなく90度回転した文字が無難?
メニューの[表示形式]−[回転]−[上に回転]で90度回転した文字並びにすると、不自然な表示にならず、文字を置換する必要もなくなる。

 また、縦書きを使う際は、複数行の見出し項目とすることが多いだろう。そのような場合、その行の分だけセルを結合することになる。セルを結合してしまうと、並べ替えやグラフ化などの際に問題が生じてしまうので、なるべく避けたい。縦書きの見出しは、この点を十分に理解した上で設定してほしい。

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