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Microsoftが「A2A」プロトコルをサポート まずは「Azure AI Foundry」と「Copilot Studio」から「C#」「Python」でAIエージェントやモデルを活用可能に

Microsoftは「Agent2Agent Protocol」を「Azure AI Foundry」と「Microsoft Copilot Studio」でサポートすると発表した。

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 Microsoftは2025年5月7日(米国時間)、複数のAI(人工知能)エージェントを相互接続し、動的に連携させるオープン標準プロトコルである「Agent2Agent Protocol」(以下、A2A)を、「Azure AI Foundry」と「Microsoft Copilot Studio」(以下、Copilot Studio)でサポートすると発表した。

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「2つのエージェントが共同作業できる」とはどういうことか

 A2Aは、異なる開発言語やフレームワークで開発されたAIエージェント同士が情報を交換し、協調してアクションを実行できるようにする。同プロトコルはGoogleが2025年4月に発表したもので、2025年5月現在でMicrosoftをはじめとする60社以上がパートナーとして名を連ねている。

 AIエージェントははじめ、実験的ツールとして登場したが、今では企業システムには不可欠な存在に進化しつつある。こうした動きに追従するように、LLM(大規模言語モデル)アプリケーションやAIエージェントを外部のツールやデータソースと接続するためのオープン標準プロトコル「Model Context Protocol」(MCP)が2024年11月、AIベンダーのAnthropicから発表され、人気を集めている。MCPがあれば、AIアプリケーションやエージェントが外部のツールやデータソースを操作したり、それらから情報を取得、設定したりできるようになり、できることが格段に広がるからだ。

 A2AはこのMCPを補完する位置付けだ。AIエージェントがクラウドやプラットフォーム、フレームワーク、組織の境界を越えて連携できるようにする。

MicrosoftのA2A対応

 Microsoftは、A2AをサポートするAzure AI FoundryとCopilot Studioのパブリックプレビュー版を間もなくリリースする。

 Azure AI Foundryは、開発者とIT管理者がAIアプリケーションやエージェントを設計、カスタマイズ、管理するための統合プラットフォーム。Copilot Studioは、自然言語やグラフィカルインタフェースを使ってエージェントを作成できるエンドツーエンドの会話型AIプラットフォームだ。

 A2Aをサポートすることで、Azure AI Foundryのユーザーは、ガバナンスとSLA(サービスレベル契約)を維持しながら「社内専用Copilot」「パートナーツール」「本番インフラにまたがる複雑なマルチエージェントワークフロー」を構築できる。Copilot Studioで作成したエージェントは、外部のエージェント(他のプラットフォームで構築されたエージェントや、Microsoftの外部でホストされているエージェントなど)を安全に呼び出せるようになる。

 Microsoftは、GitHubのA2Aワーキンググループに参加しており、仕様やツールへの貢献に取り組んでいる。同社は、「エージェントコンピューティングはトレンドではなく、基盤のシフトだ。ソフトウェアの構築、意思決定、価値創造の方法を変えるだろう。A2AやMCPのようなプロトコルは、エージェントが大きな役割を担うわれわれの将来ビジョンを実現するための重要なステップだと考えている」と語る。

 さらにMicrosoftは、2つのローカルエージェントがA2Aを用いて共同で作業できることを示す、サンプル「Python」アプリケーションを「Semantic Kernel」で提供している。Semantic Kernelは、AIエージェントを簡単に構築し、最新のAIモデルを「C#」、Python、「Java」のコードベースに統合できる、軽量のオープンソース開発キットだ。

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