Microsoft、MCP対応AIエージェントによるAzure利用を支援する「Azure MCP Server」を発表:自然言語でAIエージェントに指示し、Azureを操作
Microsoftは、AIエージェントが「Microsoft Azure」サービスの機能を利用できるようにする「Azure MCP Server」のパブリックプレビュー版を発表した。
Microsoftは2025年4月17日(米国時間)、AI(人工知能)エージェントが「Microsoft Azure」(以下、Azure)のサービスやツールを利用できるようにする「Azure MCP Server」のパブリックプレビュー版を発表した。
Azure MCP ServerはGitHubでオープンソースとして公開されている。開発者は、Azure MCP Serverにより、ファイル保存、データベースやログのクエリ、CLI(コマンドラインインタフェース)コマンドなど、主要なワークフローにAzureのリソースを利用できる。
MCP(Model Context Protocol)は、大規模言語モデル(LLM)アプリケーションやAIエージェントが外部のツールやサービス、データソースと接続するためのオープンプロトコル。MCPでは、これら外部リソースの利用者側(エージェント)はMCPクライアント、提供者側(ツールやデータソースなど)はMCPサーバとして定義される。
Azure MCP Serverの特徴
Azure MCP Serverは以下のような機能を提供し、AIエージェントとさまざまなAzureサービスのシームレスな統合を実現する。
- AIエージェントが理解できるスマートなJSON通信
- Azureの操作に変換される自然言語コマンド
- インテリジェントなパラメーター提案と自動補完
- 理解しやすい一貫したエラー処理
Azure MCP Serverはこうした機能により、AIシステムが、Azureリソースのコンテキストを認識して操作できるようにする。例えば、Azure MCP Serverを使用するエージェントを構築し、エージェントが自然言語の指示に基づいて「Azure Cosmos DB」(NoSQL データベース)をクエリしたり、「Azure Storage」からファイルを読み込んだり、「Azure Log Analytics」ワークスペースのログを分析したりできるという。
Azure MCP ServerがサポートするAzureサービスとツール
Azure MCP Serverのプレビュー版がサポートするAzureサービスには、Azure Cosmos DB、Azure Storage、「Azure Monitor」(Log Analytics)、「Azure App Configuration」「Azure Resource Groups」が含まれる。
Azure MCP Serverのプレビュー版がサポートするAzureツールには「Azure CLI」「Azure Developer CLI」(azd)が含まれる。
Azure MCP Serverは、MCPをサポートする全てのエージェントで使用できる。その中には、AIコーディングアシスタント「GitHub Copilot」のエージェントモードと、カスタムMCPクライアントが含まれる。
Azure MCP ServerのGitHubリポジトリには、これらのエージェントでAzure MCP Serverを使用する手順が解説されている。
なお、GitHubは2025年4月、「Visual Studio Code」におけるGitHub Copilotのエージェントモードの一般提供を開始しており、これは「Visual Studio Code(またはVS Code)のエージェントモード」と呼ばれている。
Microsoftは今後、サンプルやドキュメントの拡充、より多くのMicrosoft製品やAzureサービスとの統合により、Azure MCP Serverの改良を進める計画だ。
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