2025年以降も躍進するテクノロジー、停滞するテクノロジーとは? ABI Research調査:注目の新興テクノロジーとは
ABI Researchは、66のテクノロジー市場の統計をまとめたレポートを公開した。成長するテクノロジー市場や縮小するテクノロジー市場を分析している。
ABI Researchは2025年2月13日(米国時間)、66のテクノロジー市場の統計をまとめたレポート「66 Must-Know Tech Stats For 2025: Markets On The Rise & Decline」を公開した。
ABI ResearchのCRO(最高研究責任者)であるスチュアート・カーラウ氏は、「世界経済がさまざまな継続的な課題に直面する一方で、安定を見い出そうとしている今、テクノロジー実装者とイノベーターは、極めて重要な局面に直面している。市場の力学が変化し、地政学的な不確実性が高まる中、戦略的な意思決定が今後の道を左右する」とした上で、「組織が成長を遂げるためには、新興テクノロジーのトレンドを取り入れ、状況に即応する投資戦略を取り、戦略的パートナーシップを構築する必要がある。データに基づく知見を活用することで、企業は投資利益率(ROI)を最適化し、混乱への耐性を強化できる」と述べている。
ABI Researchは、成長するテクノロジー市場や縮小するテクノロジー市場のハイライトを次のように挙げている。
成長するテクノロジー市場、縮小するテクノロジー市場とは
成長するテクノロジー
クラウド&AI統合
エンタープライズ向け大規模言語モデル(LLM)への支出は年平均成長率(CAGR)35%という驚異的な成長を遂げ、AI(人工知能)主導のビジネスイノベーションを推進すると予想されている。
5G
固定無線アクセス(FWA:Fixed Wireless Access)市場は、事業者のサービス収益化モデルのシフトに伴い、2029年までに2億6500万契約に急増するだろう。
スマートウェアラブル
スマートリングの出荷台数は、健康管理、決済、セキュリティ用途の普及が後押しすることで、2024年には26%増加すると予測されている。
サステナビリティテクノロジー
2029年までに、EU(欧州連合)は新たなデジタルプロダクトパスポート(DPP)の40%を占めるようになり、サプライチェーンの透明性向上や循環型経済の取り組みを強化する。
縮小するテクノロジー
仮想ネットワーク機能(VNF)
クラウドネイティブソリューションが主流となる中、VNF(Virtual Network Functions)の収益は2023年から2029年の間に1億5000万ドル減少すると予測される。
生体認証付き決済カード
多額の投資にもかかわらず、生体認証カードの普及は限定的であり、2029年までに決済カード全体のわずか0.067%のシェアにとどまるだろう。
プラグインハイブリッド車(PHEV)
各国政府が補助金を段階的に廃止し、完全電気自動車(EV)の普及を推進する中、PHEVの市場シェアは2029年までにEV全体の20%に低下するだろう。
ビジョンAI
大規模ビジョンモデル(LVM)は商業化の面で苦戦を強いられており、2030年までコンピュータビジョンが優位を維持する見込みだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
ポスト量子時代における量子耐性PKIビジネス、2025年が分岐点となる理由 ABI Research予測
ABI Researchの予測によれば、2030年までに量子耐性PKI(公開鍵基盤)の市場浸透率は6%に達する見込みだ。2025年はベンダーがポスト量子対応を本格的に始める重要な年になるという。「増えても活用できていない」 製造業の生成データ量、2030年までに約47億TB規模に ABI Research予測
ABI Researchは、2030年までに、IoTセンサーやERPシステムなどから生成されるデータが4.4ZB(約47億TB)規模になるとの予測を発表した。「多くの企業は活用に関する専門知識を欠いており、年間数億ドル規模の収益損失が生じる」と予測している。夢があるが2025年に「実現しない」4つの技術トレンド――では、いつ実現する? ABI Researchが発表
ABI Researchは、期待が高いものの、2025年には実現しないと予想される技術トレンドを4つ取り上げて解説した。「AI-RAN」の広範な展開、消費者向けスマートグラスの大規模な普及、ヒューマノイドの席巻、半導体生産のオンショアリングだ。