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DataRobot、AI管理やガバナンスに役立つ「コンプライアンスドキュメント」を日本語で自動生成する機能を発表概要図なども自動生成

DataRobotはAIモデルなどを文書化した、コンプライアンスドキュメントを自動生成する機能の提供を開始した。

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 AI(人工知能)プラットフォームを提供するDataRobotは2022年12月15日、AI管理、ガバナンスに役立つ「コンプライアンスドキュメント」を日本語で自動生成する機能の提供を開始した。この機能は同社で提供するAIプラットフォームを一定の規模以上で使用している顧客であれば追加費用なく利用可能だ。

 この機能で自動生成される内容は下記の通り。

  • エグゼクティブサマリーおよびモデルの概要
  • モデルデータの概要
  • モデルの理論的フレームワークと手法
  • モデルのパフォーマンスおよび安定性

自動生成されたモデル概要図(提供:DataRobot Japan)

自動生成されたモデルデータ概要(提供:DataRobot Japan)

 コンプライアンスドキュメントの自動生成機能自体は、英語版のみ2018年12月から提供を開始していたが、日本の顧客から日本語版を求めるニーズもあり今回日本語での生成に対応したという。

 このコンプライアンスドキュメントは米国で事業を行う銀行であれば作成と提出が義務化されている書類(連邦準備制度《Federal Reserve System》のSR11-7)として利用できるよう設計されており、2018〜2019年ごろから強いニーズがあったが、さらにその必要性が高まっていることから、特に米国の金融業界の顧客から強く求められている機能だという。

DataRobotで構築されていないAIモデルも出力可能

 コンプライアンスドキュメントは、同社が提供するAIプラットフォーム上にないAIモデルでも自動生成が可能だ。元となるデータとAIモデルを用意すれば、モデルをDataRobot側でシミュレーションを繰り返し、モデルの特性などを可視化する。

 AIの説明責任やAIガバナンスが求められている昨今、自社で開発するAIがどのようなモデルを使い、どのような仕組みで動いているかをまとめた資料の必要性は今後高まっていくだろう。しかしながら、意外にも他社のAIプラットフォームサービスではこういったAIを説明する文書を自動生成する機能は提供されていないと、同社日本法人であるDataRobot Japanの小川幹雄氏(データサイエンス ディレクター)は言う。

 「DataRobotは国内外問わず大きな金融機関を中心に採用されている。そのため、このコンプライアンスドキュメントを自動生成する機能のニーズが特に高かったと思われる。この自動生成機能には、文書のテンプレートを編集して、自由に文書の構成を編集できる『テンプレートビルダー』機能も用意している。提出書類を作るためだけではなく、自社のチーム間で共有するなどして、企業のAIガバナンス強化に役立ててほしい」(小川氏)

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