ローコード活用して2カ月でPCR検査受診情報の集約システムを構築、その採用技術とは?:トランスコスモス・デジタル・テクノロジーが自社向けに
トランスコスモス・デジタル・テクノロジーはローコード開発でPCR検査受診情報の集約システムを構築。作業時間を約67%削減できるようになったシステムを実現した技術とは?
トランスコスモス・デジタル・テクノロジーは2023年1月10日、社員向けのPCR検査受診情報を集約するシステムをローコード開発基盤「Microsoft Power Platform」とクラウド基盤「Microsoft Azure」(以下、Azure)を活用して構築したと発表した。ローコード開発により迅速なシステム構築が可能となり、着手から2カ月で稼働させることができたという。
同社の国内従業員は約4万4000人で、PCR検査に関する実施状況の登録や検査結果の反映、陽性時の対応に関する情報登録、経営層向けのレポート準備などが担当部署の負荷となっていた。今回のシステム構築では、この負荷を軽減するための一元管理システムを目指した。セキュリティの確保と既存システムとの柔軟な情報連携も重要な要素だった。
エンドユーザーが主に利用するフロントエンド部分は「Microsoft Power Apps」で構築した。認証などのアカウント管理にはAzureの「Azure Active Directory」を利用し、セキュリティを高めた。「Microsoft SQL Server」などの既存システムと連携させるため「オンプレミス データ ゲートウェイ」も使った。「Microsoft Power Automate」も活用し、アップロードされたファイルを「Microsoft SharePoint」に格納できるようにした。
運用ルール策定とシステム構築を並行で進め、約2カ月でシステムを稼働させた。PCR検査受診情報の管理にかかる作業時間は新システムにより、従来の月750時間前後から月250時間まで減少させることができた。削減幅は約67%。また、基盤にAzureを使ったことで保守やメンテナンスが不要になり運用の負荷も減ったという。
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