休憩を入れない連続した会議は集中力低下とストレス増加の原因に Microsoftが調査結果を発表:「今日は会議しかやっていない……」
Microsoftは、働き方に関する分析レポート「Research Proves Your Brain Needs Breaks」を公開した。休憩を入れずに連続して会議を行うとストレスが高まり、集中力が低下するという。
Microsoftは2021年4月20日(米国時間)、働き方に関する分析レポート「Research Proves Your Brain Needs Breaks」を公開した。それによると、休憩を入れずに連続して会議をするとストレスが高まり、集中力が低下するという。このレポートに基づき同社は、「Microsoft Outlook」と「Microsoft Teams」で、休憩時間を自動的に入れる機能などを提供すると発表した。
脳波を測定し、会議とストレスとの関係を調査
会議とストレスとの関係を調べるため、Microsoftのヒューマンファクターズ研究所は、被験者となる14人に脳波(EEG)計測器を装着して、休憩を入れる場合と入れない場合の脳波の変化を調査した。
会議は1回当たり30分で、1日当たり4回開いた。オフィスのレイアウトをデザインする、マーケティングプランを作るなど、会議は全て異なる内容にした。こうした会議を、ある日は4回連続で開き、別の日には各会議の合間に10分間の休憩を入れ、休憩中にはアプリを使って瞑想(めいそう)させた。
こうした会議を2週間実施したところ、次の3つのポイントが明らかになったという。
1つ目は、会議の合間に休憩を入れることで脳がリセットされ、会議で蓄積するストレスが和らぐこと。2つ目は、会議を詰め込むと集中力とエンゲージメント力が低下すること。3つ目は、休憩をとらないと、ある会議から次の会議に移るときにストレスレベルが急増するが、会議の合間に休憩を入れればこうしたストレスは和らぐことだ。
会議をより効率的にする5つの提言
Microsoftは今回の調査結果を受けて、Microsoft Teamsの会議を任意の時間(5分、10分、15分のいずれか)削る設定を追加した。例えばこれまで1時間取っていた会議時間を5分削って55分にすれば、5分確保できる。その空いた5分を休憩に当てられるというわけだ。Microsoftはこの他、会議をより効率的にするための5つの提言もしている。
考え方を変える
休みなしで働いた方が効率的だと感じるかもしれないが、調査では逆の結果が出ている。
心が落ち着くような休憩時間の過ごし方を見つける
このプロジェクトを監督したMicrosoftのマイケル・ボーハン氏(ヒューマンファクターズエンジニアリンググループ シニアディレクター)によると「仕事関係のことを忘れ、リラックスに集中できれば何でも効果がある」という。
他のコミュニケーション手段を検討して休憩時間を増やす
ビデオ会議が本当に必要かどうかを考える必要がある。状況確認や情報に関することであれば、ドキュメントのやりとりやMicrosoft Teamsのチャンネル、メールなどの方が適していることもある。
会議を計画的に実施する
「事前にアジェンダを作成して共有する」「出席者を考える」「時間通りに開始し終了する」「最後の5分間はまとめに入る」といったプラクティスを実践することで、会議を短くまとめることができる。
参加者のエンゲージメントを高めて活気づける
ビデオ会議は相づちを打つのも難しい。そのため会議の進行役は、参加者を会議に巻き込むよう工夫する。例えばオンラインホワイトボードを使う、ビデオ会議の挙手機能を使うといった方法がある。
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