ServiceNow Japanが「業務自動化に関する国際調査」を実施 日本の回答は?:業務自動化は従業員のストレスを軽減する
ServiceNow Japanが実施した「業務自動化に関する国際調査」によると、業務の自動化が従業員の生産性や創造性向上、ストレス軽減などをもたらすことが分かった。ただし日本では手作業に頼っている職場が多く、業務の自動化レベルが、調査した地域の中で最も低い。
ServiceNow Japanは2019年6月5日、「業務自動化に関する国際調査」の結果を発した。同調査は、業務の自動化に対する従業員の考え方や経験、業務の自動化レベルを明らかにすることが目的。それによると、日本はデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進が他国よりも遅れていることや、業務の自動化が従業員の生産性や創造性向上、ストレス軽減などをもたらすことが分かった。
まず、職場での業務の自動化レベルを調べた。すると、日本では手作業に頼っている職場が多く「業務の自動化のレベルが低い」ことが分かった。
自身の業務について「手作業に頼っている」または「極めて手作業に頼っている」と回答した割合は、日本が39%で、12の国と地域の中で最も高かった。世界平均は29%だった。これに対して、業務が「自動化されている」または「極めて自動化されている」と回答した割合は、日本が20%。これは、香港(14%)、カナダ(19%)に次いで3番目に低い。世界平均は26%だった。
デジタルスキルに自信のない人が多い日本
ServiceNow Japanでは、多くの日本国内の企業や組織が働き方改革に取り組んでいるが、世界的に見ると自動化による業務効率化や生産性向上に十分に努めているとはいえないと指摘している。さらに、他国に比べて日本の従業員は、自身のデジタルスキルに自信を持っていないことも分かったという。
過去3年間に自身の業務が自動化されたと回答した割合は、日本が42%で最も低い。世界平均は57%だった。また、業務に必要なデジタルスキルを備えていないと回答した割合は、世界平均の6%に対して日本は20%。キャリアアップに必要なデジタルスキルを備えていないと回答した割合は、世界平均の11%に対して日本は29%。こうした自身のデジタルスキルに自信を持たないと回答した割合は、12の国と地域の中で日本が最も高かった。
自動化によって生産性が向上し、ストレスも低減する
次に、業務の自動化と従業員の満足度との関係について調べた。業務の自動化は、従業員の幸福度や生産性、創造性の向上やストレスの軽減につながると、従業員が考えていることが分かった。
具体的には、職場の自動化によって仕事への満足度が向上すると回答した割合は、日本では58%(世界平均も58%)。職場の自動化によって生産性が向上すると回答した割合は、日本では74%(世界平均は69%)だった。
一方、自身の業務を「手作業に頼っている」または「極めて手作業に頼っている」と回答した従業員のうち、業務について「極めてストレスを感じる」または「非常にストレスを感じる」と回答した割合は、日本では39%(世界平均は38%)。これに対して、自身の業務が「自動化されている」または「極めて自動化されている」と回答した従業員で同様の回答をした割合は、日本では25%(世界平均は30%)と低かった。
失業よりも怖い「変化」
次に、業務の自動化に対する従業員の懸念について調べると、業務の自動化によって失業することよりも自動化がもたらす変化を恐れている従業員が多かった。
具体的には、業務の自動化によって仕事を失うことを懸念していると回答した割合は、日本では16%(世界平均は19%)。自動化によって仕事のやり方を変える必要があることを懸念していると回答した割合は、日本では45%(世界平均は33%)。自動化によって新しいスキルやプロセスを習得する必要があることを懸念していると回答した割合は、日本では44%(世界平均は37%)だった。
最後に、最先端の技術を学習する意欲については「多くの従業員が意欲的である」ことが分かった。「未来の働き方」と聞いて、AI(人工知能)やビッグデータ分析、ロボティクス、チャットbotなどを連想すると回答した割合は、日本では89%(世界平均は88%)。データ分析のスキルを学習、強化、向上させたいと回答した割合は、日本では44%(世界平均は43%)だった。これらのスキルは、問題解決や人材管理、交渉、プログラミング、Webデザインなどを抑えてトップだった。
今回の調査の対象は、米国、日本、カナダ、メキシコ、フランス、英国、オーストラリア、ドイツ、インド、香港、オランダ、シンガポールの12の国と地域に拠点を置く従業員数が500人以上の企業で、日常業務でPCやタブレット端末を利用している従業員6477人。日本国内の対象者は513人だった。
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