Microsoft、「Windows Terminal」に関する質問にブログで回答:PowerShellと何が違うのか
Microsoftは、2019年5月に発表したオープンソースソフトウェアのターミナルアプリ「Windows Terminal」について寄せられた質問にブログで回答した。例えば、Windows PowerShellを廃止するのかどうかといった質問だ。
Microsoftは2019年5月20日(米国時間)、2019年5月6日に発表した新しいオープンソースソフトウェアのターミナルアプリケーション「Windows Terminal」について寄せられた質問にブログで公式に回答した(関連記事)。回答したのはMicrosoftでWindows Terminal、コンソール、コマンドラインのプログラムマネジャーを務めるケーラ・シナモン氏。
新しいTerminalを入手するにはどうすればよいのか
3種類の方法がある。
- GitHubリポジトリからWindows Terminalのソースコードを取得し、自分のマシンでビルドする(プロジェクトをビルドする前に、リポジトリのREADMEページの説明を必ず読み、従う必要がある)
- 2019年夏までに、Windows Terminalのプレビュー版がMicrosoft Storeからダウンロードできるようになる予定だ
- Microsoftは、Windows Terminal バージョン1.0を2019年末までにリリースするよう目指している。だが、コミュニティーとの連携によってアプリの品質が十分に高くなれば、(それ以前に)リリースする
Windows Terminalは、コマンドプロンプトやWindows PowerShellに取って代わるのか
この質問に答えるには、幾つかの用語と概念を明確にする必要がある。まず、コマンドプロンプトとWindows PowerShellは、(UNIX/Linuxのbashなどのように)シェルであってターミナルではなく、独自のUIを持たない。
コマンドラインシェル/アプリ/ツールが実行されると、Windowsは、自動的にそれらを起動し、必要に応じてWindowsコンソールインスタンスに接続する。
Windowsコンソールは、Windowsに含まれる標準の“ターミナル風”UIのアプリケーションであり、ユーザーは過去30年間、Windows NT/2000/XP/Vista/7/8/10でコマンドラインツールを実行するために使ってきた。
以上により、寄せられた質問は大抵の場合、「Windows Terminalはコンソールに取って代わるのか」と言い換えられる。答えは「ノー」だ。
Windowsコンソールは今後も数十年にわたって、Windowsの一部として出荷される。膨大な既存のコマンドラインスクリプトやアプリ、ツールとの下位互換性を維持するためだ。
Windows Terminalは、Windowsコンソールと並列に動作する。だが、Windowsでコマンドラインツールを動かしたいユーザーにとって恐らく望ましいツールになる。
Windows Terminalは、コマンドプロンプトやPowerShellに加え、他の任意のコマンドラインシェルやツール、アプリに接続できる。コマンドプロンプトやPowerShell、(WSLやsshを介した)bash、他の任意のシェルやツールに接続した独立のタブを開くことができる。
いつ新しいフォントを入手できるのか
間もなく入手できるようになる。スケジュールを設定してはいないが、フォントの完成に精力的に取り組んでいる。リリースの準備ができたら、リポジトリを与えてオープンソースとして公開する予定だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
Microsoft、ターミナルアプリ「Windows Terminal」を発表
Microsoftは、コマンドラインツールやシェルのユーザー向けに新しいターミナルアプリケーション「Windows Terminal」を発表した。2019年冬に正式リリースを予定する。Microsoft、「WSL 2」への質問にブログで回答
Microsoftは2019年5月に発表した「Windows Subsystem for Linux(WSL)」の新版「WSL 2」に関して寄せられた質問の一部を取り上げ、ブログで回答した。例えば仮想化ソフトと同時に利用できるかといった質問に対する回答だ。Microsoft、「.NET Core 3.0」の後継となる「.NET 5」を2020年にリリース
Microsoftは「.NET Core」「.NET Framework」「Xamarin/Mono」を1つに集約すると発表した。「.NET Core 3.0」の後継となる「.NET 5」は、Windows、Linux、macOS、iOS、Android、tvOS、watchOS、WebAssemblyなどに対応した開発が可能な単一のプラットフォームになる。