ブロックチェーン向けPythonライブラリ、VIPPOOLがOSSとして公開:秘密鍵を手元に保持できる
VIPPOOLは、ブロックチェーン技術を活用したシステムを開発するためのソフトウェアを、オープンソースとして公開した。Web APIとPythonライブラリの2種類で、専門知識がなくてもブロックチェーンを利用したシステムの開発が可能になるという。
VIPPOOLは2019年3月19日、ブロックチェーン技術を活用したシステムを開発するためのソフトウェア2種類を、オープンソースソフトウェア(OSS)としてGitHub上で公開すると発表した。
公開したのは、「VIPPOOL clerk」と「VIPPOOL storage」。これらを利用することで、専門知識がなくてもブロックチェーンを利用したシステムの開発が可能になるという。
VIPPOOL clerkは、ブロックチェーンデータを読み書きするサーバサイドアプリケーション。GoogleのPaaS型クラウドサービス「Google App Engine」で動作し、Web APIの形式で機能を提供する。
このAPIを利用すると、ブロック情報やトランザクション情報を、JSON形式で取得できるようになる。電子署名の作成を分離した新規トランザクション作成機能も備えており、電子署名をクライアントで作成することで、秘密鍵をサーバに送信することなく、新規トランザクションを作成できる。
PythonプログラムからVIPPOOL clerkを使うには?
もう一つのVIPPOOL storageは、VIPPOOL clerkをPythonプログラムから利用するためのライブラリ。ブロックチェーンのデータを読み書きする機能を提供する。
指定した秘密鍵に対応するコインアドレスの現在の残高を取得 vs = vippool_storage( privKey ) print vs.balance()
さらに、国産の仮想通貨「モナコイン」について、秘密鍵に対応するコインアドレスの現在残高を取得したり、秘密鍵に対応するコインアドレスから別のコインアドレスに送金したりすることもできる。
1.0Monaを手数料0.01Monaで送金 vs = vippool_storage( privKey ) print vs.send( 'mt5xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx', 1.0, 0.01 )
VIPPOOLでは、秘密鍵管理用のハードウェアを発売する予定で、今後はこのハードウェアとの連携も図るという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「ブロックチェーン技術をVMwareが開発」に関する、さまざまな疑問
VMwareは2018年8月末に開催した「VMworld 2018」で、ブロックチェーンのオープンソースプロジェクト、「Project Concord」を開始したと発表した。「なぜ、VMwareがブロックチェーンなのか」「なぜ、新たなプロジェクトが必要なのか」などを聞いた。企業向けスマートコントラクト「Quorum」って、Ethereumとどう違うの?
Ethereumをベースとしたスマートコントラクトプラットフォーム「Quorum」は企業向けに改良されている。サンプルで動かしつつ、どのように改良されているのかを探る。マイクロソフト、Azureベースの「ブロックチェーンPoCフレームワーク」を公開
マイクロソフトは、ブロックチェーン型サービス構築のPoCを迅速化するAzureベースのフレームワークを公開。「Azure Blockchain as a Service」の一環として提供し、事前検証に必要となるPoC構築や統合作業に掛かる工数を短縮できるようにする。