検索
連載

リモートデスクトップに接続できない!? そもそも許可していますか?【Windows 10/11】Tech TIPS(2/2 ページ)

リモートデスクトップは、あらかじめ許可しておかないと接続できない。Windows 10/11でリモートデスクトップを有効にする方法や注意点を具体的に説明する。これで、ネットワークを介して、リモートでPCを操作できるようになる。

Share
Tweet
LINE
Hatena
前のページへ |       

グループポリシーでリモートデスクトップ接続ができるようにする

 複数のWindows PCに対し、リモートデスクトップで接続できるようにする場合、前述のGUIで設定しようとすると手間がかかる。特にActive Directoryドメイン環境に所属するPCが対象なら、グループポリシーでリモートデスクトップ接続を有効化する方が効率的だろう。

 以下では、「グループポリシーの管理」ツールで作成済みのグループポリシーオブジェクト(以下、「GPO」と略)を編集して、リモートデスクトップ接続に必要な設定を追加する、という前提で説明する。

●【グループポリシー】リモートデスクトップ接続を許可する

 リモートデスクトップ接続を許可するには、次のポリシーを「有効」にする。

項目 内容
パス
(左ペイン)
[コンピューターの構成]
 −[ポリシー]
  −[管理用テンプレート]
   −[Windowsコンポーネント]
    −[リモートデスクトップサービス]
     −[リモートデスクトップセッションホスト]
      −[接続]
設定名
(右ペイン)
ユーザーがリモートデスクトップサービスを使ってリモート接続することを許可する
設定すべき値
(右ペイン)
「有効」
リモートデスクトップ接続を許可するためのポリシー

【グループポリシー】リモートデスクトップ接続を許可する(1/2)
【グループポリシー】リモートデスクトップ接続を許可する(1/2)
【グループポリシー】リモートデスクトップ接続を許可する(2/2)
【グループポリシー】リモートデスクトップ接続を許可する(2/2)

●【グループポリシー】ネットワークレベル認証を強制する

 特段の理由がなければ、リモートデスクトップに接続しようとするクライアントに対し、ネットワークレベル認証を求める(強制する)方が安全だ。それには次のポリシーを「有効」にする。

項目 内容
パス
(左ペイン)
[コンピューターの構成]
 −[ポリシー]
  −[管理用テンプレート]
   −[Windowsコンポーネント]
    −[リモートデスクトップサービス]
     −[リモートデスクトップセッションホスト]
      −[セキュリティ]
設定名
(右ペイン)
リモート接続にネットワークレベル認証を使用したユーザー認証を必要とする
設定すべき値
(右ペイン)
「有効」
ネットワークレベル認証を強制するためのポリシー

【グループポリシー】ネットワークレベル認証を強制する
【グループポリシー】ネットワークレベル認証を強制する

●【グループポリシー】ファイアウォールでリモートデスクトップ接続の着信を許可する

 前述のGUIによる設定では、リモートデスクトップ接続を許可すると、そのためのファイアウォールの受信規則も自動的に有効化され、クライアントから接続可能になる。

 一方、グループポリシーでリモートデスクトップを有効化した場合は、同じ受信規則を明示的に有効化する必要がある。それには以下のようにポリシーを設定すればよい。

項目 内容
パス
(左ペイン)
[コンピューターの構成]
 −[ポリシー]
  −[Windowsの設定]
   −[セキュリティの設定]
    −[セキュリティが強化されたWindows Defenderファイアウォール]
     −[セキュリティが強化されたWindows Defenderファイアウォール - <GPO>
      −[受信の規則]
設定内容
(右ペイン)
定義済みの「リモートデスクトップ」の受信規則を許可
ファイアウォールでリモートデスクトップ接続の着信を許可するためのポリシー

【グループポリシー】ファイアウォールでリモートデスクトップ接続の着信を許可する(1/3)
【グループポリシー】ファイアウォールでリモートデスクトップ接続の着信を許可する(1/3)
【グループポリシー】ファイアウォールでリモートデスクトップ接続の着信を許可する(2/3)
【グループポリシー】ファイアウォールでリモートデスクトップ接続の着信を許可する(2/3)
【グループポリシー】ファイアウォールでリモートデスクトップ接続の着信を許可する(3/3)
【グループポリシー】ファイアウォールでリモートデスクトップ接続の着信を許可する(3/3)

●【グループポリシー】リモートデスクトップのサービスを自動起動させる

 グループポリシーでリモートデスクトップ接続を許可しても、環境や状況によってはリモートデスクトップのサービスプログラム「Remote Desktop Services」が起動せず、接続に失敗することがある。

 そのような場合は、Windows OSの起動時に「Remote Desktop Services」が自動的に起動するよう、以下のポリシーを設定するとよい。

項目 内容
パス
(左ペイン)
[コンピューターの構成]
 −[ポリシー]
  −[Windowsの設定]
   −[セキュリティの設定]
    −[システムサービス]
サービス名
(右ペイン)
Remote Desktop Services
設定すべき値 スタートアップを「自動」にする
リモートデスクトップのサービスを自動起動させるためのポリシー

【グループポリシー】リモートデスクトップのサービスを自動起動する(1/2)
【グループポリシー】リモートデスクトップのサービスを自動起動する(1/2)
【グループポリシー】リモートデスクトップのサービスを自動起動する(2/2)
【グループポリシー】リモートデスクトップのサービスを自動起動する(2/2)

●【グループポリシー】一般ユーザーアカウントから接続可能にする

 管理者ではない一般のユーザーアカウントでリモートデスクトップに接続するには、そのアカウントを「Remote Desktop Users」というローカルグループに所属させる必要がある。それには次のようにポリシーを設定すればよい。

項目 内容
パス
(左ペイン)
[コンピューターの構成]
 −[ポリシー]
  −[Windowsの設定]
   −[セキュリティの設定]
    −[制限されたグループ]
設定内容
(右ペイン)
「Remote Desktop Users」ローカルグループに対象のユーザー/グループを追加
リモートデスクトップのサービスを自動起動させるためのポリシー

【グループポリシー】一般ユーザーアカウントから接続可能にする(1/4)
【グループポリシー】一般ユーザーアカウントから接続可能にする(1/4)
【グループポリシー】一般ユーザーアカウントから接続可能にする(2/4)
【グループポリシー】一般ユーザーアカウントから接続可能にする(2/4)
【グループポリシー】一般ユーザーアカウントから接続可能にする(3/4)
【グループポリシー】一般ユーザーアカウントから接続可能にする(3/4)
【グループポリシー】一般ユーザーアカウントから接続可能にする(4/4)
【グループポリシー】一般ユーザーアカウントから接続可能にする(4/4)

リモートデスクトップ接続ができるか確認する

 リモートデスクトップを有効にしたところで、別のWindows PCから接続できるか試してみよう。それには、以下のように「リモートデスクトップ接続」アプリを操作して接続する。

  1. タスクバーの検索アイコンまたは検索ボックスをクリック
  2. 検索ボックスに「リモート」と入力
  3. 見つかった「リモートデスクトップ接続」というアプリをクリックして起動
  4. アプリのウィンドウ左下にある[オプションの表示]ボタンをクリックして、オプションを設定するためのタブを表示させる
  5. コンピューター]欄に、メモしておいたコンピュータ名を入力
  6. ユーザー名]欄に、ユーザー名を入力
  7. 画面]タブを選択
  8. 画面解像度などを設定
  9. 接続]ボタンをクリック
  10. 資格情報の入力を求めるダイアログが表示されたら、設定したユーザーアカウントに対応するパスワードを入力する。Windows OSサインイン時のPINは通用しないので注意
  11. OK]ボタンをクリック
  12. 証明書に関する警告が表示されたら、ひとまず[はい]ボタンをクリックして接続を強行する
  13. 接続に成功すると、リモートデスクトップのウィンドウが表示され、接続先PCのデスクトップが表示される。マウスやキーボードでの操作もできるはずだ

 「リモートデスクトップ接続」アプリは以下の場所にショートカットがあるので、そこから起動してもよい。

  • Windows 10: [スタート]ボタン−[Windowsアクセサリ
  • Windows 11: [スタート]ボタン−[すべてのアプリ]−[Windowsツール
リモートデスクトップ接続ができるか確認する(1/6)
リモートデスクトップ接続ができるか確認する(1/6)
リモートデスクトップ接続ができるか確認する(2/6)
リモートデスクトップ接続ができるか確認する(2/6)
リモートデスクトップ接続ができるか確認する(3/6)
リモートデスクトップ接続ができるか確認する(3/6)
リモートデスクトップ接続ができるか確認する(4/6)
リモートデスクトップ接続ができるか確認する(4/6)
リモートデスクトップ接続ができるか確認する(5/6)
リモートデスクトップ接続ができるか確認する(5/6)
リモートデスクトップ接続ができるか確認する(6/6)
リモートデスクトップ接続ができるか確認する(6/6)

 接続先PCで接続が許可されていなかったり、ファイアウォールの受信規則が未設定だったりすると、「接続しています」という画面がずっと表示され続け、最後に「リモートデスクトップはリモートコンピューターに接続できません。以下のいずれかが原因です。……」というダイアログが表示される。その場合は、接続先のPCの設定を再確認すること。

 [接続]ボタンを押すと、すぐに「リモートデスクトップはコンピューター名 "<コンピュータ名>" を検出できません」というエラーが返されるなら、指定したコンピュータ名の「名前解決」ができていない恐れがある。その場合は、ドメイン名を外したコンピュータ名を指定したり、接続先PCのIPアドレスを指定したりしてみよう。Windows PCのIPアドレスは「ipconfig」コマンドの「IPv4アドレス」欄で確認できる。

 接続途中で証明書に関する警告が表示されるのは、デフォルトだと正式な証明書が接続先PCに割り当てられていないことが原因だ。解決方法はTech TIPS「Windowsでリモートデスクトップ接続のサーバに『正しい』証明書を割り当てる」を参照していただきたい。

■更新履歴

【2022/05/31】Windows 11に対応しました。グループポリシーでファイアウォールやサービス起動、一般ユーザー追加をする方法を追記しました。

【2019/01/15】初版公開。


「Tech TIPS」のインデックス

Tech TIPS

Copyright© Digital Advantage Corp. All Rights Reserved.

前のページへ |