富士通のメインフレーム「GS21」に新モデル CPU性能が約20%向上、設置面積縮小で拡張性もアップ
富士通は、メインフレーム「GS21」シリーズの新製品として、超大型機「FUJITSU Server GS21 3600モデル」と中・大型機「FUJITSU Server GS21 3400モデル」の販売を開始。従来モデルよりCPU性能が約20%向上し、設置面積は約40%縮小。デジタル化の進展に伴うデータ量の増大にも対応する。
富士通は2018年4月17日、メインフレーム製品の「GS21」シリーズを刷新し、超大型機「FUJITSU Server GS21 3600モデルグループ(以下、GS21 3600)」と、中・大型機「FUJITSU Server GS21 3400モデルグループ(以下、GS21 3400)」の販売を開始した。併せて、新モデルに対応したソフトウェア「FUJITSU Software GSS21sx V20(以下、GSS21sx)」の販売も開始し、オープンシステムとの連携を強化する。
新モデルは、従来モデルに比べてCPU性能が最大約20%向上。マルチクラスタシステムでは、システム記憶装置(SSU)へのアクセス回数を削減することで、トランザクション処理性能を高めた。これにより、デジタル化の進展に伴うデータ量の増大にも対応できるという。
また、オープン連携やシステムの集約性・拡張性、セキュリティ面も強化した。
オープンシステムからメインフレームデータベースへのリモートアクセス機能を基本ソフトウェアとして標準搭載するとともに、ファイル転送機能を強化。これにより、メインフレーム中・大型機用OS「OSIV/XSP」上でも最大280GBのデータを一括転送できる。
マルチクラスタシステムの操作、構成制御、監視を行うコンソールサブシステム「SVPMコンソール」では、ユーザー権限と証跡ログの管理によって、不正操作の抑止や検出を可能にした。
さらにGS21 3400では、マルチクラスタシステムによって1筐体に2クラスタが搭載可能になり、設置面積が最大約40%縮小。シングルクラスタ限定モデルのオールインワンモデル(2018年度下期提供予定)では、周辺装置(ディスクストレージ装置、テープ装置、コンソール装置)も筐体内に搭載可能とすることで、省スペースを実現する。
また、基幹業務システム管理における不正操作を防止するなど、セキュリティを強化したことで、データセンターなどにおける次世代の基幹業務システムへの活用も期待できるとしている。
販売価格は、GS21 3600モデルグループ(全35モデル)が月額1138万2000円(税別、以下同)から、GS21 3400モデルグループ(全29モデル)が月額101万5000円から、FUJITSU Software GSS21sx V20(基本ソフトウェアパック)が月額83万7000円から。出荷は、2018年9月末より順次行う予定。
なお同社は、ミッションクリティカルな環境としてメインフレームの継続利用を希望する顧客企業のニーズに対応するため、メインフレーム製品の長期ロードマップを刷新。2030年以降もメインフレームの継続提供と強化を保証するとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
富士通、オールインワン型の手のひら静脈認証装置を発売 APIの実装で手のひら静脈認証の導入を容易に
富士通と富士通フロンテックは、小型の筐体にセンサーやOS、ミドルウェア、タッチパネルを搭載したオールインワン型の手のひら静脈認証装置「PalmSecure Connect」を発売。APIを利用してアプリケーションを開発することで、さまざまな業務システムへの手のひら静脈認証の導入が容易になるという。スマートコントラクトのリスクを自動検出し、ブロックチェーンの安全性を向上――富士通研究の新技術
富士通研究所と中国富士通研究開発中心は、ブロックチェーン基盤「Ethereum」上でスマートコントラクトのリスクを自動検出し、ソースコード上の該当箇所を特定する技術を共同で開発。より安全性の高いスマートコントラクトを効率的に開発できるようになるという。京都大学と富士通、AIを活用した高度医療化を目指す共同研究講座を開設
京都大学と富士通は、新たな診療支援や創薬の実現といったAIを活用した高度医療化に向け、共同研究講座「医療情報AIシステム学講座」を開設。京都大学が保有する各種医療情報と、富士通のAI「FUJITSU Human Centric AI Zinrai」を活用し、約2年間、共同研究を進める。富士通とMicrosoft、AI分野での戦略協業を発表
富士通とMicrosoftがAI分野で協業する。両社は互いのAI技術やサービスを活用した働き方改革向けソリューションを共同開発し、日本市場では2018年第2四半期(4〜6月期)にクラウドサービスとして提供を開始する。