IoTブームで注目されるハードとソフトの架け橋――制御・組み込みエンジニア(制御システム開発/ファームウェア開発/組み込みソフト開発技術者):ITエンジニア職業図鑑(11)(1/2 ページ)
プログラマー、SE(システムエンジニア)、プロジェクトマネジャー――IT業界のさまざまな職業を紹介する本連載。第11回は「制御・組み込みエンジニア」を解説する。
一口に「ITエンジニア」と言っても、その仕事は職種によってさまざまだ。「ITエンジニア職業図鑑」は、「プログラマー」「ITコンサルタント」「フィールドエンジニア」などのIT業界に存在するさまざまな職業を取り上げ、仕事内容や必要とされる能力、仕事のやりがいなどを紹介する。IT業界に興味のある学生諸君の職業選択の参考になれば、幸いだ。
前回は新入社員研修などでお世話になる「エデュケーションエンジニア」のやりがいやキャリアパスを紹介した。今回は「制御・組み込みエンジニア」の仕事内容や適正を解説する。
制御・組み込みエンジニアとは
ハードウェアに組み込み、機器を制御するソフトウェアを「組み込みソフトウェア」という。テレビやエアコン、冷蔵庫などの家電製品や、自動車、工業用ロボット、人工衛星といったさまざまな機器に搭載され、人間の操作やセンサーからの情報に基づいて、さまざまな判断を行い、機器を制御する。このようなソフトウェアを開発するのが、「制御・組み込みエンジニア」である。
組み込みソフトウェアの開発は、PCなどで動作するアプリケーションソフトウェアの開発とは異なる難しさがある。
組み込む機器の種類やさまざまな制約に応じて、「OS」「プログラミング言語」「ツール」などの開発環境が変わる。そのため、ハードウェアの仕様や性能について考慮しながら、ソフトウェアを作らなければならない。
また、製品を出荷した後にソフトウェアの修正ができないため、不具合があってはいけない。製品の発売日が決まっているので、納期の遅れは許されない。最近は製品の寿命が短くなっているため、短期間での開発が求められる。
さらに、たとえ想定外の使い方をされたとしても、事故が起こったり人を傷つけたりしないように配慮する必要がある。
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