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アダプテックのRAIDコントローラがオープンな省電力化を実現 グリーンITではハードディスクの 消費電力に注目せよ |
2007年に「グリーンIT推進協議会」が設立されるなど、国内でもITの省エネ議論が活発になっている。しかし実はそれ以前から、商用データセンターや企業のデータセンターでは省電力が重要な課題だった。サーバやストレージの台数は増やさざるを得ないものの、データセンターでの電源供給には上限があり、その範囲内に納めるのが担当者にとっての頭痛の種だったのだ。ITの省電力については、これまでシステム全体で電力消費を抑えるというアプローチはあったが、それなりのコストを伴うことが導入の阻害要因となっていた。しかしアダプテックは、オープンな省電力技術により、「コストの掛からない省エネ」を実現する。 |
システムの変更は不要 RAIDコントローラによるディスクの省電力 |
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グリーンITがIT運用における大きな課題として浮上したことを受け、省電力でいくつかのアプローチが提唱されてきている。よく知られているのは、サーバベンダなどが提案する「多数あるサーバ機を統合して台数を減らすこと」や、「消費電力の低い新しいCPUを搭載したサーバ機に入れ替える」といった方法だ。ただし、ITシステム全体の中で最も消費電力が高いのは駆動部分を持つハードディスクドライブであるため、この部分の電力消費を抑えるのが最も効率がよい。つまり、使わない時にディスクを止めるだけで、かなりの消費電力削減になるのだ。
ストレージシステムのベンダも、一部のストレージ製品で省電力を実現する機能を提供し始めているが、それを利用するにはシステム全体を替える必要があるなど、かなりのコストを覚悟しなければならない。こうした機能を搭載した製品の選択肢も限られているのが現状だ。しかし、アダプテックのRAIDコントローラが搭載する「インテリジェント パワー マネージメント」機能では、汎用的なハードディスクドライブを用いた省電力化を実現している。
インテリジェント パワー マネージメント機能を提供するのは、アダプテックRAIDコントローラの最新シリーズである「5シリーズ」と「2シリーズ」である。RAIDコントローラは、サーバ機とハードディスクドライブを結び、複数のディスクをまとめてシステム側からはひとつのアレイとして構成し、パフォーマンスや耐障害性の向上を実現するボードだ。アダプテックのRAIDコントローラは、サーバ機の直接ストレージ接続におけるデファクトスタンダードといっていいほど浸透しているが、9月3日にAdaptec RAID 5シリーズ、2シリーズの省電力の機能を提供するインテリジェント パワー マネージメント機能をリリースした。この機能により、ストレージの消費電力を最大70%下げることができる。
2段階の省電力設定 ターゲットとなるアプリケーション |
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アダプテックのRAIDコントローラにおけるハードディスクの電力設定は、付属の管理ソフト「Adaptec Storage Manager」から行い、1.通常稼働、2.スタンバイ、3.電源オフの3つから選択できる。これまでRAIDカードと複数のハードディスクドライブで構成されるドライブアレイの電源制御をすることはできなかったが、今回の新機能でそれが可能となった。
例えば、ディスクドライブの回転を停止した後、システムからの読み書きリクエストが発生した場合に、複数のディスクドライブをすべて同時に回転し始めると、消費電力が跳ね上がってしまう。これを防ぐために、各ドライブの再起動時間を少しずつずらして立ち上げ、RAIDグループを構成するドライブすべての準備が整った段階でシステムからの読み書きを許すという高度な制御を行うことができるようになった。
この電源オフ機能は、バックアップ用のディスクドライブのように、毎日あるいは毎週一定の時間にのみ稼働が必要となるようなディスクドライブの制御に適している。
一方、スタンバイモードとは、システムからの信号がなくなると、例えば15000RPMのドライブを2000RPMほどに落とすといったモードで、完全にハードディスクの回転を止めてしまう電源オフに比べて通常のオペレーションに戻るまでの時間が短い。スタンバイモードについては、ディスクドライブ側の対応も求められるため、検証が必要だが、アダプテックでは同社のWebページに、検証済みドライブについて互換性リストを公開している。また、リストになくてもユーザー自身がチェックすることも可能だ。
設定はGUIで図1のようなプルダウンメニューから行う。例えば、アクセスがなくなって何分後にスタンバイモードに入り、その後さらに何分アクセスがなかったら電源オフといった設定が可能だ。設定はそれぞれのアレイごとにきめ細かく変えることができ、同様の設定はBIOSからもできる。
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図1 Adaptec Storage Managerの画面。省電力設定を行ったディスクは緑色に表示される(クリックで拡大します) |
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図2 I/Oが何分間なかったらスタンバイモードに入るか、電源オフモードに入るかなど、きめ細かな電源管理が可能(クリックで拡大します) |
また、通常は省電力設定が有効だが、特定の時間はそれを無効にするといった設定もできる。例えば、バックアップ用のディスクで、通常はアクセスがなければ電源をオフにするが、バックアップを行う夜中の0時から翌朝4時までは常にフル回転にしておくといった設定だ。どういう設定をするのがよいかは、ユーザーがそのアプリケーションにどの程度の立ち上がり速度を期待するかによる。メールアーカイブなど、ユーザーが間違って消したデータを復旧するためやコンプライアンスのためといったものなら、それほどのスピードは不要なので電源オフ設定で構わないだろう。しかし、写真や動画の共有サイトなど、古いデータにはあまりアクセスはないものの、ひとたびユーザーからアクセスがあった場合にはある程度早く応答を返した方がいいものもある。その場合は、スタンバイ設定のみを行えば、アクセスがなくても電源はオフにならない。
データセンター内では、膨大な数のハードディスクが24時間回転し続けている。この中で必要のないディスクを止めるだけで、かなりの消費電力や冷却コストが削減できる。これまでの投資を無駄にせずにRAIDコントローラでディスクの省電力を実現するというアプローチを検討してみていただきたい。
アダプテック
インテリジェント パワー マネージメント
Adaptec RAID 5シリーズ
Adaptec RAID 2シリーズ
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提供:アダプテックジャパン株式会社
企画:アイティメディア 営業本部
制作:@IT 編集部
掲載内容有効期限:2008年11月30日
ソリューションFLASH Pick UP!
クロネコデータセンター
ヤマトシステム開発
ヤマトシステム開発は「クロネコヤマトの宅急便」で有名なヤマト運輸のコンピュータ部門に起源を持ち、ヤマトグループの ITシステムを30年以上に渡って支え続けてきた。全国にきめ細かなネットワークを持つヤマト運輸のITシステムへ求められる要件に応える過程で蓄積された、さまざまなノウハウを活かし、ユニークなサービスを展開する。
Adaptec RAID 5シリーズ、2シリーズ
アダプテックジャパン
2007年に「グリーンIT推進協議会」が設立されるなど、国内でもITの省エネ議論が活発になっている。しかし実はそれ以前から、商用データセンターや企業のデータセンターでは省電力が重要な課題だった。サーバやストレージの台数は増やさざるを得ないものの、データセンターでの電源供給には上限があり、その範囲内に納めるのが担当者にとっての頭痛の種だったのだ。ITの省電力については、これまでシステム全体で電力消費を抑えるというアプローチはあったが、それなりのコストを伴うことが導入の阻害要因となっていた。しかしアダプテックは、オープンな省電力技術により、「コストの掛からない省エネ」を実現する。
最新ストレージ技術を活用した、データセンター省電力化アプローチ
EMCジャパン
データセンターでは、企業活動を支えるITインフラの設置場所として高度な信頼性や耐障害性が求められるのは当然だが、それに加えて現在では、高度な効率性も求められるようになってきている。信頼性を高めるためにはコストに糸目は付けない、などと言える状況ではなくなってきているのだ。データセンターに設置される機器の主役とも言えるサーバとストレージに関して、EMCは仮想化を初めとするさまざまな最新技術を導入することで高度な効率性を実現する。
Veritas NetBackup 6.5 for VMware
シマンテック
データセンターを検討するとき、もう仮想化を無視することはできないだろう。サーバ使用効率向上を狙える仮想化だが、物理サーバと同じバックアップ手法でいいのだろうか? シマンテックの答えは「NetBackup for VMware」にある。
Veritas Storage Foundation
シマンテック
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