「過去の消費税増税時と同じような対応でいいかというと、必ずしもそうではない。会計システムだけではなく、業務系のシステムにも影響があるだろう」と指摘。
2014年4月に8%、2015年10月に10%となり、さらに10%時には軽減税率も検討――消費税の増税に向けて対応を検討する企業が増えている。消費税増税の影響を調査するサービスを開始した有限責任監査法人トーマツのパートナーで、公認会計士、公認情報システム監査人の伊藤哲也氏は、「過去の消費税増税時と同じような対応でいいかというと、必ずしもそうではない。会計システムだけではなく、業務系のシステムにも影響があるだろう」と指摘する。
今回は2段階の増税が予定されている上に、食料品などを対象とした軽減税率も検討されている。そのため「単純に税率のテーブルをセットするだけというのではなく、システムごとの対応方針を決める必要がある」と伊藤氏は話す。トーマツでは税務対応の方針を含めて具体的にアドバイスするとしている。「われわれの強みはグループとして税理士法人と一緒にサービスを提供できること。税法上の解釈にもアドバイスできる」(伊藤氏)。
税理士法人トーマツの間接税サービス パートナーで、税理士の岡田力氏は「小売業は気を付ける必要がある。過去の3%から5%への増税時と異なるのは総額表示が既に義務化されていることだ。今回の増税の1つの課題になるだろう」と指摘する。その上で「対応の要になるのは、税率ごとの売り上げと仕入額をきちん把握し、申告書を出せるかということ」と述べる。
また過去の消費税増税と同様に、請負工事やファイナンスリース取引などを対象に経過措置が取られる予定。岡田氏は「建築の請負工事やリースに関わる企業も早めに着手した方がいい」と話す。
トーマツは今回のサービスで、消費税増税で影響を受けるシステム、税法上の論点整理、業務プロセスへの影響などを調査し、最短2週間でレポートを提出する。約30人が対応する。「過去の増税時と異なり、今はインターネットなどで増税対応の課題が共有され、企業にとっては問題点が増えていくことが予想される。対応する必要がないノイズも混じるので、対応するポイントの見極めが重要になる」(岡田氏)。
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