Googleが自律型コーディングエージェント「Jules」のパブリックβ版を公開：「JavaScript」「Python」「Go」などを使ったプロジェクトに最適

　コードベースを「Google Cloud」の仮想マシン（VM）にコピー（クローン）し、プロジェクトの全体的なコンテキストを理解した上で、テストの作成、新機能の開発、音声による変更履歴の提供、バグの修正、依存関係のバージョンアップといったタスクを実行する。

　非同期で動作するため、Julesがバックグラウンドで作業している間、ユーザーは他のタスクに集中できる。プライバシーを重視した設計となっており、ユーザーのプライベートコードは学習に使わず、データは実行環境内で分離されている。

　パブリックβ期間中は無料で利用できるが、使用制限がある（デフォルト〈既定〉で2つの並行タスク、1日に実行できるタスクの総数は5つなど）。このβ期間終了後は有料になる見込みだ。

Julesの特徴

　Julesは以下のような特徴がある。

コードベースでの作業

　Julesはサンドボックスのような特別な実行環境は不要で、既存プロジェクトのコード全体を理解した上で、必要な変更を賢く判断して実行できる。

並列実行

　タスクはVM内で実行され、並列実行が可能だ。そのため、複数のリクエストを同時に処理できる。

可視的なワークフロー

　Julesは変更を実施する前に、具体的な作業計画と判断根拠を提示する。

GitHubとの統合

　Julesは、ユーザーが普段使っている「GitHub」の作業環境にそのまま組み込める。新しい環境に切り替えたり、追加の設定をしたりする必要はない。

ユーザーによる制御

　作業の開始前、実行中、完了後のどの段階でも、ユーザーは提案された計画を修正でき、常にコードへの最終的な決定権を持つ。

音声要約

　Julesは直近の変更内容を音声でまとめて説明する。このため、プロジェクトの進捗（しんちょく）状況を耳で確認できる。

　FAQによると、Julesは特定のプログラミング言語に依存しないが、「JavaScript」「TypeScript」「Python」「Go」「Java」「Rust」を使用したプロジェクトで特に高い効果を発揮するという。