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JetBrains、C/C++用IDE「CLion」の非商用利用を無料化 非商用ライセンスの注意点は?商用ライセンスと同じ機能を全て利用できる

JetBrainsは、CとC++用のクロスプラットフォーム統合開発環境「CLion」の非商用利用を無料化した。

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 JetBrainsは2025年5月7日(チェコ時間)、CとC++用のクロスプラットフォーム統合開発環境(IDE)「CLion」について、非商用利用の無料化を発表した。

 JetBrainsは2024年に、Rust用IDE「RustRover」、.NET用IDE「Rider」、JavaScriptおよびTypeScript用IDE「WebStorm」に新しいライセンスモデルを導入し、非商用利用を無料化してきた。今回、このライセンスモデルをCLionにも適用した。

 学習、オープンソースプロジェクト開発、コンテンツ作成、趣味での開発など、非商用目的であれば、無料で利用できるようになった。商用利用は、既存のライセンスモデルが引き続き適用される。

 JetBrainsは「CLion、RustRover、Rider、WebStorm以外のJetBrains IDEでは、非商用利用を無料化していない。今後の状況を見守り、この取り組みの影響を評価し続ける」としている。

非商用利用を無料化した理由 非商用ライセンスの注意点は?

 JetBrainsは、これらのIDEでの非商用開発を無料化することで、JetBrains IDEをより多くの人にとって利用しやすくすることを目指していると述べている。新しいライセンスモデルが、JetBrains IDEを使用するハードルを下げ、開発者の学習、成長、創造的な活動の継続に役立つことを期待しているという。

 またJetBrainsは、CLionがサポートするCとC++は学習曲線が険しいため、これらの言語の習得を支援したいとの考えを示し、今回の措置により、非商用利用ではCLionのライセンスを気にせずに済むようになり、これらの言語による実験、学習、ビルドがしやすくなったと述べている。

商用利用と非商用利用ライセンスの違い

 JetBrainsは、「Toolbox Subscription Agreement for Non-Commercial Use」(非商用利用向けToolboxサブスクリプション契約)での定義を引用し、「商用利用とは、製品を開発し、自らの活動から商業的利益を得ることを指す」と説明している。ただし、特定のカテゴリーはこの定義から明示的に除外されている。非商用利用の一般的な例としては、学習や独学、商業的利益を得ずにオープンソースに貢献すること、あらゆる形態のコンテンツ制作、趣味での開発などがある。

匿名の使用状況データの収集

 JetBrainsによると、非商用ライセンスでJetBrains IDEを使用する場合には注意点がある。使用状況に関する匿名の統計データの収集を拒否する選択肢がないことだ。

 JetBrainsは、収集したデータを製品の改善に利用している。この統計データ収集、利用は同社のアーリーアクセスプログラム(EAP)と同様であり、同社のプライバシーポリシーに準拠して行われている。

非商用ライセンスの取得方法

 非商用ライセンスの取得は、CLion 2025.1.1以降でサポートされている。

 CLionを新たに使用する場合、非商用ライセンスを取得するには、インストールして起動すると開くライセンスダイアログで、「Non-commercial use」(非商用利用)を選択し、JetBrainsアカウントでログイン(または新規作成)して、Toolbox Subscription Agreement for Non-Commercial Useに同意する。

 CLionを既に試用している場合や、有償ライセンスで使用している場合、非商用ライセンスを取得するには、メニューの[Help](ヘルプ)-[Register](登録)で開くウィンドウで「Remove License」(ライセンス解除)をクリックし、「Non-commercial use」(非商用利用)を選択して、JetBrainsアカウントでログインし、上記の契約に同意する。

 なお、非商用ライセンスでは、商用バージョンと同一の全機能を搭載したIDEを利用できる。唯一の違いはCode With Me機能であり、無料ライセンス付きのCode With Me Communityを入手する必要がある。

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