AIサービスの契約時には何を見るべき? 経済産業省が「AI初心者向け契約チェックリスト」を公開:業務でAIを利用した経験がなくても大丈夫
経済産業省は「AIの利用・開発に関する契約チェックリスト」を公開した。当事者間の適切な利益やリスクの分配と、AIの活用を促すことを目的としている。
経済産業省は2025年2月18日、「AI(人工知能)の利用・開発に関する契約チェックリスト」を公開した。同省は「生成AIの普及を始めとする近年の市場環境の変化を踏まえ、当事者間の適切な利益とリスクの分配、ひいてはAIの利活用を促すことを目的として、わが国の事業者が使いやすい形式にまとめた」としている。
「関連技術や法務に精通していないAI推進担当者」に最適
生成AI技術を用いたサービスが急速に普及し始め、AIモデルの開発だけでなく、その活用局面での契約の重要性が高まっている。だが、AI導入を検討する事業者がAI関連の技術や法務に精通しているとは限らない。
経済産業省は「こうした状況では、AI技術を用いたサービスを活用する際の契約実務に関して、AI活用に関する契約に伴う法的なリスクを十分に検討できていなかったり、保護すべきデータや情報が予期せぬ目的に利用されたり、第三者に提供されたりするなど、想定外の不利益を被る懸念が生じる」と指摘している。
同チェックリストはこのような市場環境の変化を踏まえて取りまとめられたもので、AIサービスの利用者が契約時にチェックすべきポイントを具体的に記載している。想定読者は社内法務部や顧問弁護士、ビジネス部門の担当者など。契約条項を具体的に検討する場面や、契約についての初期検討の場面を想定した内容となっている。また、AI技術を用いたサービスの利用者が、サービスの提供者に提供する「データの利用範囲」や「契約上のAI生成物の利用条件」などについて検討するための基礎知識についても解説している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
約2割の企業が「フリーランス新法施行後も契約書を作成していない」何が課題なのか? インフォマート調査
インフォマートは「フリーランス新法」に関する実態調査の結果を発表した。この調査は、フリーランスと取引している20〜50歳代の会社員を対象に実施し、347人から有効回答を得た。それによると7割以上がフリーランス新法を認識しており、約9割が施行後のトラブル減少を期待していることが分かった。Androidアプリに生成AI機能を追加する際に注意すべき点 Googleが「Firebase向けVertex AI」で説明
Googleは2025年1月29日、「Firebase SDK」の「Vertex AI」を使用する際の注意点をまとめたブログエントリを公開した。「Gemini」を活用することで、ユーザーエンゲージメントを高め、パーソナライズされた体験を提供する新機能を開発、導入できるという。企業はどんな生成AIエージェントを作れる? 日本マイクロソフトが解説
「AIエージェント」は曖昧な言葉だ。「自律的」「自動化」と言われても、企業で何ができるのかがイメージしにくい。本記事では、日本マイクロソフトの事例と解説をまとめた。