AWSがAnthropicに追加で40億ドル投資 次世代AI開発を加速する戦略的提携を強化 今後はどうなるのか?:「少数株主であることに変わりはない」
AI(人工知能)モデルの「Claude」などを開発するAnthropicはAWSとの連携を拡大し、高度なAIシステムの開発と導入に向けた共同作業を深めることを発表した。
AI(人工知能)モデルの「Claude」などを開発するAnthropicは2024年11月22日(米国時間)、Amazon Web Services(AWS)との連携を拡大し、高度なAIシステムの開発と導入に向けた共同作業を深めることを発表した。Anthropicはこれについて以下のように述べている。
AWSが多額投資、Anthropicの見解は
共同作業の中にはAWSからの追加投資40億ドルが含まれている。AWSはAnthropicの主要なクラウドおよびトレーニングパートナーとして確立されている。これにより、AWSのAnthropicへの総投資額は80億ドルとなるが、これまで通り少数株主であることに変わりはない。
AnthropicとAWS、技術面での共同
AnthropicはAWSの完全子会社Annapurna Labsと密接に連携し、AnthropicはTrainiumシリコンと直接連携するための低レベルカーネルを作成している。また、Trainiumを強化するためのAWS Neuronソフトウェアスタックに協力している。
Anthropicのエンジニアは、機械学習に特化したハードウェア能力を向上させる、次世代のTrainiumアクセラレーターの開発と最適化に取り組んでいる。加えて、ハードウェアの計算効率を最大限に引き出すべくAnnapurnaのチップ設計チームと連携し、最先端の基盤モデルのトレーニングを計画している。
Claudeの機能を引き出すAWSリソース
生成AI基盤モデルのマネージドサービス「Amazon Bedrock」は、「Claude」モデルとデータを統合的に運用、管理できる。さらにここから、AWS上の各種技術を活用できるこの統合アーキテクチャを基盤に、Amazon Bedrock内の「Claude 3 Haiku」を含むClaudeモデルをファインチューニングし、特定のニーズに合わせて出力を調整し、ドメイン固有のタスクの精度を向上させることができる。ユーザーの専有トレーニングデータはAWS内で安全に保管され、安全性とプライバシーへの取り組みが維持される。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
Anthropic、AIシステムとデータソースをシームレスに統合できる「Model Context Protocol」をオープンソース化 AIシステムの構築にどう役立つ?
Anthropicは、「Model Context Protocol」(MCP)をオープンソース化した。MCPは、AIアシスタントのようなLLM(大規模言語モデル)ベースのAIシステムと、データが存在するシステム(コンテンツリポジトリ、ビジネスツール、開発環境など)のシームレスな統合を可能にするオープンプロトコル。東京リージョンで正式提供開始の生成AIサービス「Amazon Bedrock」、企業での利用に向けた仕掛けとは
Amazon Web Servicesの生成AIマネージドサービス「Amazon Bedrock」が、本国でのリリースから数日遅れの10月3日、東京リージョンで正式に提供開始となった。このサービスには、企業での生成AI活用を促進するための幾つかの仕掛けがある。生成AIがJavaScriptコードを生成してCSVからグラフ描画、洞察を提供する分析機能 Anthropicが全ユーザーに開放
Anthropicは、同社の生成AIサービス「Claude.ai」で、リアルタイムにデータを分析し洞察を生成する「分析ツール」のプレビュー版を発表した。