「Windows Terminal Preview 1.22」公開 Sixel画像や書記素クラスタに対応:コマンドを保存して簡単に呼び出せるスニペットペインも利用可能に
Microsoftは「Windows Terminal Preview 1.22」をリリースした。Sixel画像や書記素クラスタのサポート、スニペットペイン、CMDのクイック修正といった新機能を提供する。
Microsoftは2024年8月27日(米国時間)、「Windows Terminal Preview 1.22」をリリースした。主な新機能は、Sixel画像のサポート、書記素クラスタのサポート、スニペットペイン、CMD(コマンドプロンプト)のクイック修正などだ。
またMicrosoftは、「Windows Terminal」の最新安定版がバージョン1.21に移行したことも明らかにした。
Windows TerminalとWindows Terminal Previewは、Microsoft StoreやGitHubのリリースページから、あるいは「winget」を使ってインストールできる。Windows Terminal Preview 1.22の主な新機能は以下の通り。
Sixel画像のサポート
Sixel画像のサポートは、Windows Terminalのリポジトリで最もリクエストが多かった機能の一つだ。Sixelは、ターミナル用の画像フォーマットの一つ。そのデータスキームは、ターミナルに適したエスケープシーケンスとして表現されている。
Windows TerminalでSixel画像を表示するには、「libsixel」や「chafa」など、Sixelをエンコードするツールが必要になる。Microsoftは、「img2sixel」を含むlibsixelを使用する例を紹介している。
この最初の例では、img2sixelを使ってWindows Terminalで.pngファイルをSixel画像として表示している。
このSixel画像サポート機能では、別のウィンドウを開くことなく画像出力を表示することもできる。
この2つ目の例では、matplotlibを使ったプロットをimg2sixelにパイプし、出力を(新しいウィンドウではなく)アクティブなターミナルウィンドウに表示している。
書記素クラスタのサポート
Windows Terminalは、書記素クラスタをサポートするターミナルエミュレータの仲間入りをした。これにより、プログラムが複数のコードポイントを使って、ユーザーが認識する1つの文字を表現できるようになった。
例えば、ホッキョクグマを表す絵文字「A」は、クマの顔「B」と雪の結晶「C」をゼロ幅接合子で接合したものだが、これまでのWindows Terminalは、これを個別の絵文字として扱っていた。Windows Terminal Preview 1.22では、こうした問題が解消された。
書記素クラスタのサポートは、発音区別符号を使う特殊な文字の表示にも役立つ。
Windows Terminal Preview 1.22では、書記素クラスタをまだサポートしていないUNIXベースのアプリケーションとの互換性が必要な場合のために、「wcswidth」ベースの文字幅測定のサポートも追加された。
スニペットペイン
スニペットとは、settings.jsonファイルに保存できるコマンドを指す。新しいUI(ユーザーインタフェース)要素であるスニペットペインにより、このファイルに保存した全てのスニペットを確認し、目的のものをコマンドラインに送信できる。
スニペットペインを呼び出すには、コマンドパレットでスニペットペインを探し、「スニペットペインを開く」オプションをクリックする。
スニペットペインでスニペットのコマンドを見るには、スニペット名をクリックする。コマンドをコマンドラインに送信するには、コマンドの横にある「play」ボタンをクリックする。
よく使われるターミナルコマンドを集めた「Commands.dev」からスニペットを追加するためのスクリプトも用意されている。また、Suggestions UIの候補メニューにもスニペットが表示されるようになっている。
CMDのクイック修正
CMDでコマンドを入力し、認識されなかった場合、そのコマンドが既存のWinGetパッケージと関連付けられていれば、ターミナルウィンドウの左側にクイック修正(電球アイコン)が表示されるようになった。
これをダブルクリックすると、そのコマンドを実行するために必要なパッケージをインストールするためのwinget installコマンドが提案される。
PowerShellモジュールの「Microsoft.WinGet.CommandNotFound」と同様に、CMDのクイック修正は、ユーザーがターミナルのコンテキストから離れることなく、支援を受けられることを目的としている。
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