NECが「サポートが終わったPostgreSQLの修正パッチ」を作成するサービスを提供開始:「長期間安心して利用したいという顧客の声に応えた」
NECは、「PostgreSQLサポートサービス(パッチサービス)」の提供を開始した。PostgreSQLのコミュニティーサポート終了後もバグやセキュリティに関する情報を収集し、個別にパッチを作成して提供する。
NECは2023年2月17日、「PostgreSQLサポートサービス(パッチサービス)」の提供を開始すると発表した。これは「PostgreSQL」のコミュニティーサポートが終了したバージョンについて、NECがバグや脆弱(ぜいじゃく)性に関する修正パッチを作成して提供するサービス。
場合によってはバックポートパッチを作成することも可能
NECによると、オープンソースソフトウェアの利用拡大に伴って「PostgreSQLも重要なシステムに採用されるケースが増えてきた」という。ただ、PostgreSQLのコミュニティーサポートは、メジャーバージョンのリリース開始(初期リリース)から5年間となっており、それ以降は原則として修正パッチは提供されない。
PostgreSQLサポートサービス(パッチサービス)はこうした課題を解決する。NECは「コミュニティーのサポート期間に縛られず、長期間安心して利用したいという顧客の声に応えた」としている。
NECが調査して検出した問題について、開発コミュニティーによる修正が見送られた場合は、同社が修正プログラムを作成する。また、要望に応じてバックポート(新しいバージョンで対応された修正を古いバージョンに適応する)パッチの作成も実施するという。その他、開発コミュニティーによるサポートが終了した後、利用中のバージョンで発生した脆弱性の影響について調査し、報告するサービスも用意している。
サービスメニューは、「Patch-A」「Patch-B」「Patch-C」の3種類から選択できる。
Patch-Cは、コミュニティーサポート終了後にバグ修正パッチを提供する。Patch-Bは、Patch-Cの内容に加えて、コミュニティーサポート期間内でもバグ修正パッチを提供し、サポート終了後にはセキュリティ情報を発信する。Patch-Aは、Patch-Bの内容に加えて、コミュニティーサポート終了後にセキュリティ脆弱性修正パッチも提供する。
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