「完全ノーコード」で現場主体の開発を加速、ジャストシステムが注目市場に参入:クラウドデータベース「JUST.DB」
DX推進のツールとして注目を集めるノーコードツール市場にジャストシステムが参入。現場によるカスタマイズを可能にすることでさまざまな業務に対応できるという。
ジャストシステムは2022年8月1日、コードを書かずに業務システムを構築できるノーコードツールの新製品「JUST.DB」を同年10月1日に発売すると発表した。企業におけるIT人材の不足が深刻になる中で、事業部門の開発能力を高める「完全ノーコード」を実現するという。
JUST.DBは事業部門がGUIによるドラッグ&ドロップでデータベースを構築できる。データベースはクラウドにあり、運用管理は不要。入力/蓄積したデータに対する編集、移動、統合、分析などの処理を実行できる他、簡単な操作でデータをグラフにするなどのビジュアリゼーション機能も備える。スマートフォン向けのUIも用意する。ジャストシステムでは案件管理や問い合わせ管理、資産管理など、複数スタッフで利用するワークフロー機能が必要な業務システムを構築可能としている。
ワークフロー機能は、ルールを定めてフローを分岐させたり、差し戻し・引き戻し、代理申請したりするなど複雑な処理もGUIで設定可能。稟議(りんぎ)申請にも利用でき、ペーパーレス化や意思決定の迅速化に役立つという。
データの処理についてはアイコンを組み合わせることで構築できる「データ処理フロー」機能を備える。手作業で行っているような繰り返し処理や、定時のバッチ処理を自動化できる。
蓄積したり集計したりしたデータの定型フォームへの出力やメール通知、外部ツールの連携、APIを使った高度な連携にも対応する。ジャストシステムは、従来のノーコードツールは適用業務が限定されることから利用が一部に限られていると指摘。JUST.DBはカスタマイズ可能な項目を多くして、拡張性を高めることで、現場主体の開発をより支援するとしている。
現場で拡張可能な項目を多くすることで、セキュリティやデータガバナンスに懸念が生じることも考えられるが、JUST.DBはユーザーアカウントごとに権限を設定でき、データの閲覧や編集の範囲をコントロール可能で、いわゆる「シャドーIT」に陥ることを防ぐという。IT部門によるテンプレート開発もでき、IT部門の生産性向上にも役立つとしている。
価格は1同時ログインライセンスで月1万6500円(税込み、購入は5ライセンスから可能、5ライセンス単位で増やせる)。ユーザー登録は無制限とし、同時ログイン数によって課金する仕組みとして全社での導入を促進する考えだ。
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