「Google Compute Engine」で仮想マシンのラインアップが更新:「メモリ最適化」などのマシンタイプを拡充
Googleは、「Google Compute Engine」で提供する仮想マシンに新しいラインアップを発表した。「汎用マシンタイプ」「コンピューティング最適化マシンタイプ」「メモリ最適化マシンタイプ」の3種類。
Googleは2019年8月13日(米国時間)、「Google Cloud Platform」(GCP)のIaaS「Google Compute Engine」で提供する仮想マシン(VM)の新しいラインアップを発表した。新しいVMは「汎用(はんよう)マシンタイプ」「コンピューティング最適化マシンタイプ」「メモリ最適化マシンタイプ」の3種類。
汎用マシンタイプでは価格性能比が向上
Googleは汎用マシンタイプに、第2世代Xeonスケーラブル・プロセッサーを利用できる新しい「N2マシンタイプ」を追加した。
N2マシンタイプは現在β版。既存の「N1マシンタイプ」と比べて、多くのワークロードで価格性能比が20%以上向上する。仮想CPU1個当たり、最大25%多くのメモリをサポートする。N2マシンタイプの仮想CPUは基本周波数が2.8GHzで、ターボブースト時の最大周波数3.4GHzを全コアで利用できる。
N2マシンタイプはコンピュートとメモリ、ストレージ、ネットワークリソースのバランスが取れており、Webサーバやアプリケーションサーバ、エンタープライズアプリケーション、ゲームサーバ、コンテンツおよびコラボレーションシステム、大部分のデータベースなど、ほとんどのワークロードに適している。
N2マシンタイプは、事前定義されたマシンタイプとカスタムマシンタイプ(特定の要件に合わせて作成可能)があり、いずれも2〜80個の仮想CPU、1〜640GBのメモリを利用でき、リソースやコストの最適化が図れる。仮想CPUの1コア当たり最大8GBのメモリを利用可能だ。
N2マシンタイプは現在、us-central1、europe-west4、asia-southeast1の各リージョンで利用でき、数カ月以内にほとんどのGCPリージョンで利用できるようになる予定。
コンピューティング最適化マシンタイプでは計算負荷の高いアプリケーションに対応
Googleは、高パフォーマンスと低レイテンシを要求する計算負荷の高いアプリケーションを使用する企業向けに、コンピューティング最適化マシンタイプ(C2マシンタイプ)を提供してきた。
今回、1コア当たりパフォーマンスがGoogle Cloudのサービスの中で最も高いC2マシンタイプの新しいVMの一般提供を開始した。このVMは、HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)、ビデオエンコーディング、大規模マルチプレイヤーゲームといった要件の厳しいアプリケーションに適しているという。
メモリ最適化マシンタイプではさらなる大容量化が可能
Googleはメモリ最適化マシンタイプに、6TBまたは12TBの大容量メモリを利用できる「M2マシンタイプ」を追加した。例えば、SAPユーザーはM2マシンタイプのVMで、大規模な「SAP Hana」データベースを実行できる。現在β版であるM2マシンタイプのVMは、パブリッククラウドプロバイダーが提供するSAP Certified VMの中で最大規模だという。
M2マシンタイプでは、最も要件の厳しいSAPアプリケーションに対応できるだけでなく、GCPのお気に入りの機能を利用することもできる。例えば、ライブマイグレーション機能により、SAPシステムの常時稼働を実現したり、柔軟な確約利用割引の適用を受けたりできる。
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