「ホワイトハッカー育成」「マルウェア解析」などのコースを用意 ヒートウェーブが「セキュ塾」を開講:ハッキング技術コンテストのシステムを基に学習カリキュラムを構築
ヒートウェーブがホワイトハッカーを育成するスクールを開講。ネットワーク解析やマルウェア解析など実践的なコースを用意する。
ヒートウェーブは2017年5月18日、ホワイトハッカーの育成に特化した社会人向けスクール「セキュ塾」を2017年7月に開講すると発表。同時に、受講生の募集も開始した。
脅威が増すサイバー攻撃に対して、それに対処する情報セキュリティ人材の不足が叫ばれている。「セキュリティ分野は、人材不足だけでなく、それを育成する講師も不足している。また、学習範囲が広範に及ぶことから独学も難しい」(ヒートウェーブ)という。
セキュ塾はこうしたセキュリティ人材の状況を鑑み、ヒートウェーブの教育ノウハウを基に開講するもの。サイバー攻撃の手法や防御テクニックが学べ、セキュリティ関連の人材を必要とする企業への就職もあっせんする。
今回開講するコースは、「未経験者でもセキュリティのエキスパートやホワイトハッカーを目指せる内容」(同社)という。具体的には、(1)サイバーセキュリティ技術者育成コース、(2)ホワイトハッカー養成コース、(3)情報セキュリティリテラシーコース、(4)マルウェア解析コースの4コースを用意した。
サイバーセキュリティ技術者育成コースでは、Windows ServerやLinuxが稼働する実機を使い、コンピュータの基礎知識からネットワークセキュリティやクラッキング方法、ログ解析、デジタルフォレンジック、攻撃や防御といった実践的な技術を学ぶ。半年から1年をかけて学習し、セキュリティ関連資格の取得も目指せる内容にするとしている。
ホワイトハッカー養成コースでは、ハッキング技術を競うCTF(Capture The Flag)型コンテストで使用されるシステムを利用する。CTFの演習を通して攻撃手法を学び、実際の脅威からシステムを守るための知識を身に付ける内容にする。
情報セキュリティリテラシーコースは、日常生活の中で安全にITを活用するための知識や方法を学ぶコース。「トラブルに巻き込まれることを未然に防ぐ」を目的に、サイバー犯罪の事例から対策を学べる内容にする。
マルウェア解析コースは、コンピュータウイルスやマルウェアといった不正プログラムを解析する技術を学ぶもの。コンピュータ技術の基礎から、C言語、アセンブラといったプログラミング言語も習得できる内容にする。
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