Excelガントチャート作成の基本＆関数とグラフで負荷状況を「見える化」する：初めてのガントチャート（3）（2/2 ページ）

図7　【3】の「COUNTA(F4:F44)」は「セルF4〜44に存在する文字の数を求める」という意味

2　プロジェクトの負荷状況を「見える化」する

　Excelの「スパークライン」機能を使って、先ほど作成した日ごとのタスク数をグラフ表示し、プロジェクトの負荷状況が一目で分かるようにします。

　スパークラインとは、ワークシートのセル内でデータを視覚的に表現する小さな棒グラフです。図8の上にある紺色の縦棒グラフがスパークラインです（スパークラインはExcel 2010で登場した新機能のため、2007以前のバージョンではこの操作はできません）。

図8　「スパークライン」機能を使うと、負荷が集中しているところが分かる

　スパークラインの挿入は、下記の手順で行います（図9）。

1. 対象期間の上にあるセルを全て選んで一つに結合する
2. 結合したセルをクリックして、ツールバーより「グラフ」→「スパークライン」を選択する
3. 「スパークラインの挿入」というボックスが出てくるので、「データ範囲」をマウスでドラッグして指定する（今回は積算されたタスク数を表す「F45〜CA45」（図8の一番下の青い囲み）を選ぶ）→「配置する場所」で【1】で結合したセルを指定する→「OK」ボタンを押す

図9　スパークラインの挿入手順

　この結果、図8のようにセルを結合した場所に、負荷状況を示すグラフが表示されます。

負荷状況を調整する

　図10のグラフを見ると、7月16日前後のタスクが多過ぎることが分かります。先ほどダウンロードしたサンプルデータの「少しだけ高度なガントチャート_修正前」タブを見ると、7月15〜17日の工数合計が「4」となっています。

図10　7月15〜17日のタスクが多過ぎる

　本プロジェクトの条件は、「メンバーは3人」「1人が1度に処理できるタスクは1つまで＝4つのタスクを同時進行させられない」なので、工数合計がオーバーしている日のタスクを他の日に割り振って、負荷を分散させなければなりません。

　全体のバランスを見ると、中項目「オニオンスープを作る」の日程を変更しても全体に支障が出ないことが分かりましたので、これらを6日分、後倒しします。

　図11の黄色い囲みにある「AS30〜BU36」までのセルを選択し、それをドラッグして右にずらします。

図11　黄色い囲みのセルを6日右に移動したら負荷を分散できた

　そうすると、一日当たりの工数が3以下になります。

図12　スパークラインを見ると、一日当たりの工数が3以下にならされたことが一目で分かる

　実際のプロジェクト運用では、工数の調整は複雑な要因に依存し、「あちらを立てればコチラが立たず」になりがちです。だからこそ、ガントチャートを作成する時点で、できるだけタスク同士がかぶらないように設計することが大切です。

　次回は、Webサービスを使ってガントチャート作成し、他のメンバーと共有する方法を紹介します。

筆者プロフィール

ブラビオ　タナカタクヤ

国内10万社以上で利用されているプロジェクト管理インターネットサービス「ブラビオ・プロジェクト」を提供する「ブラビオ」のマーケターと開発者のコンビ。趣味は料理、ただし盛り付けに課題あり。