「Oracle Enterprise Managerでハイブリッドクラウド環境を統合的に管理するための機能強化に対して、オラクルは今後も投資を継続していく」とダッタ氏は強調する。オンプレミスのオラクル製品とOracle Cloud Platformを併用する企業にとって、これらをシームレスに統合管理できるフレームワークは極めて重要な意味を持つ。
Oracle Enterprise Manager 13cが可能にするオンプレミスとパブリッククラウドのシームレスな統合管理は、企業のデータベース運用管理にも大きな恩恵をもたらす。例えば、Oracle Database 12cではマルチテナントアーキテクチャ(Oracle Multitenant)が導入され、コンテナデータベース(CDB)上で動作するプラガブルデータベース(PDB)を、他のCDB上に容易にクローニングすることが可能になった。クローニング先はオンプレミスのOracle Databaseのみならず、同データベースのパブリッククラウド版であるOracle Database Cloud Serviceを選ぶこともできる。Oracle Enterprise Manager 13cを使えば、このクローニング作業を管理コンソール上の簡単な操作で実行できるのである。
3つ目の柱であるクラウドライフサイクル管理の観点では、「データベース・コンソリデーション・ワークベンチ」機能と、「スナップ・クローン」機能における「継続的なデータリフレッシュ」のサポートなどが主な強化ポイントとなる。
このうち、データベース・コンソリデーション・ワークベンチは、データベース統合を効率的に行うための支援機能だ。同機能はOracle DatabaseのAutomatic Workload Repository(AWR)に蓄積された稼働情報ログを基に動作し、より精度の高い統合計画を策定できる。Oracle ExadataやOracle Database Cloud Serviceに移行する場合に具体的なアドバイスを提供してくれる他、移行に際してOracle Enterprise Manager 13cのプロビジョニング機能を利用することで、ダウンタイムを最小化できる。Oracle Real Application Testingを使うことで、移行先のデータベース環境に旧環境と同一のワークロードを発生させてテストを行うことも可能だ。
一方、スナップ・クローンは、本番環境で動作しているデータベースから、開発およびテストのためのクローンを作成する機能だ。Oracle Enterprise Manager 13cでは、ある時点で作成したクローンに対して、本番環境でクローン作成以降に更新されたデータを反映させる「リフレッシュ」が可能となった。リフレッシュには「Oracle Data Guard」の機能を利用しており、本番環境側の更新内容をクローン側にも継続的に反映させる環境を作ることができる。この機能により、「常に最新のデータを使って開発と運用を連携させる“アジャイルDevOps”を実現できる」とダッタ氏は話す。
以上のように、Oracle Enterprise Manager 13cでは、企業システムの運用管理性をさらに高め、オンプレミスとパブリッククラウドをまたいだハイブリッドクラウド環境の運用管理を効率化する新機能が多数追加された。オンプレミスとパブリッククラウドが同じアーキテクチャで提供されるオラクルの製品/サービスの活用メリットが、同ツールによってさらに向上するのである。
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