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エクスペリエンス・テクノロジー最前線!
いまUI開発のあるべき姿とは?


 〜@IT リッチクライアント カンファレンス?
イベントレポート 〜
@IT編集部は9月30日、「@IT リッチクライアントカンファレンス?」を東京・秋葉原で開催した。会場は、リッチクライアント/RIA開発の最新技術を求めて、多数の参加者で熱気にあふれていた。本稿では、その中から基調講演と日本ネクサウェブ、マイクロソフトの講演、そしてSpecialセッションの模様をレポートする。

 基調講演の『エクスペリエンス・テクノロジー最新動向〜進化するUI技術の最新トレンド〜』では、野村総合研究所 情報技術本部 技術調査部 上級研究員 田中 達雄 氏が、昨年に引き続きエクスペリエンス・テクノロジー(経験価値創出技術)の重要性や最新動向について伝えつつ、UI(ユーザーインターフェイス)技術によって、いかにエクスペリエンスを向上させるかについて解説した。

野村総合研究所 情報技術本部 技術調査部 上級研究員 田中達雄氏
野村総合研究所 情報技術本部 技術調査部 上級研究員 田中達雄氏

 田中氏は、エクスペリエンスを人(顧客)の内面に思い出や印象として残る“感情”的な価値と位置付ける。「インターネットの普及により、顧客接点(チャネル)の多くがIT化しました。そんな中、自社Webページを『顧客をおもてなしする場』と位置付け、Webページ上で顧客がポジティブに感じるエクスペリエンスを提供する企業が増えてきています。一方で、社員向け業務アプリのエクスペリエンスを改善することで、社員の生産性を高めることに成功した企業もあります。感情的な価値の創出は企業を差別化し、企業収益を向上させます」(田中氏)

 エクスペリエンス・テクノロジーは3つの要素から成り立つ。UI技術、分析・管理系技術、方法論・手法だ。特に、UI技術は人が直接接する部分なだけにエクスペリエンスを向上させるのに重要な要素となる。3つの要素とエクスペリエンス・テクノロジーについての関係については、田中氏による@ITの連載「新たな潮流:エクスペリエンス・テクノロジー(経験創出技術)とは?」を参照していただくとして、本レポートでは、各RIA企業の取り組みやUI開発の方法論について深堀りしていこう。


@IT リッチクライアント カンファレンス? イベントレポート インデックス
「既存システムからRIAへの移行におけるコストを削減し、
顧客満足度も向上させるソリューションとは
」―日本ネクサウェブ
「エクスペリエンスを向上させるために重要な、
“プロトタイピング”のためのツールとは
」 ―マイクロソフト
「いろいろな視点の集合体であるべき“UI”を作るための
プロトタイピングとユーザビリティテスト
」 ―Specialセッション

「既存システムからRIAへの移行におけるコストを削減し、
顧客満足度も向上させるソリューションとは」
―日本ネクサウェブ

 では、実際にRIAによってUI技術のエクスペリエンスや顧客満足度を向上させるにはどうすればよいのか。

日本ネクサウェブ セールス・マーケティング 淡路 良平 氏
日本ネクサウェブ セールス・マーケティング 淡路 良平 氏

 日本ネクサウェブ セールス・マーケティング 淡路 良平 氏によるセッション『J2EE業務システム開発向けJavaベースRIAプラットフォーム「Nexaweb」ご紹介』からひも解いていこう。淡路氏はまず、次のように述べる。「RIAには、UI部分のエクスペリエンスや顧客満足度を向上させるだけではなく、開発効率の向上や導入・運用の容易性も求められます。また、既存システムからRIAに移行する際に、いかにコストを掛けずに移行を実現できるかも重要な要素となります」。

 確かに現実的に考えて、既存システムのUI技術のエクスペリエンスを向上させる際に問題となってくるのが、コストの問題だ。昨今の不況により各企業に強いられる「コスト削減」という命題は、システムを実際に扱うエンドユーザーの顧客満足度の向上とは相反する要素として、開発の現場に重くのし掛かる。その相反する2つを両方とも実現するソリューションとして日本ネクサウェブが提供するのが「Nexaweb」だ。

 Nexawebは、JavaやXML、Ajaxといったオープンな技術を基盤にしたRIAの統合開発・運用環境で、リアルタイム(プッシュ配信)/非同期通信を特徴とする。エンタープライズ・システム向けの技術で日本での採用実績も多い。2008年の9月にVBやCなどのコードを自動変換してNexawebへ移行するソリューション「Nexaweb Advance」の提供を開始している(参考@IT記事:VBやCのコード自動変換とdojo.E拡張プロジェクトで飛躍を狙う)。

 淡路氏は、「Nexaweb Advance」の活用例としてPowerBuilderのシステムからのRIAへの移行を挙げた。これは国内外に拠点を持つリース業の企業のもので、画面数は600ほどの大規模なシステムで10年以上使用されていた。「フロントエンドだけ部分的に先に移行し、バックエンドは後から移行したい」「クライアントOSもWindows 2000からWindows XPに移行したい」「オープンシステム化したい」というさまざまな要望があり、まずは既存システムの評価から取り組んだ。実際に分析してみると、PowerBuilderだけで約130万行のコードを持ち、COBOLなどほかの言語のコードも含んでいるなどの予想外の問題もあったが、3週間程度で、システム全体の評価・査定を完了し、システム移行の概算見積もりを作成したという。

 今後は、「Nexaweb Advance」をよりグレードアップし、Visual BasicベースのシステムからのRIA移行サービスを強化するとのことだった。

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「エクスペリエンスを向上させるために重要な、
“プロトタイピング”のためのツールとは」―
マイクロソフト

 エクスペリエンスを向上させるUI技術・方法論としては、どんなものがあるのか。マイクロソフト UXテクノロジー推進部の春日井 良隆 氏のセッション『ユーザー中心設計で真に使えるRIAを実現する Silverlight 3 & Expression Blend 3』から、その一例を紹介しよう。

 春日井氏はまず、ユーザーエクスペリエンスについて「心地よい、気持ちいい、面白いとユーザーが感じられる経験」と定義する。それをWebで実現する技術の1つが、最新版が公開されて間もないMicrosoft Silverlightだ。Silverlight 3の最新機能については@IT記事「さらに進化を遂げたSilverlight 3」をご参照いただくとして、ここではRIAを構築するツールとしてExpression Blend 3を取り上げる。

マイクロソフト デベロッパー&プラットフォーム統括本部 UXテクノロジー推進部 エバンジェリスト リード 春日井 良隆 氏
マイクロソフト デベロッパー&プラットフォーム統括本部 UXテクノロジー推進部 エバンジェリスト リード 春日井 良隆 氏

 春日井氏は「ROIが高いRIAを作るには、UCD(ユーザー中心設計)の意識とワークフローの早い段階で、プロトタイプを用いて分析、調査、評価を反復するイテレーション開発が重要です。それを効率化する機能として、Expression Blend 3にはSketchFlowというプロトタイピングツールを搭載しました」と力強く話し、デモを行った。SketchFlowは簡単にいうと、画面遷移などの処理フローや各画面のプロトタイプのデザインをスケッチする感覚で行うことができる機能だ。SketchFlowを使っている様子は、@IT記事「Expression Blend 3+SketchFlowを使ってみた」をご参照いただきたい。

 イテレーション開発において重要なのは、いかに早く簡単にプロトタイプを作成し、それをエンドユーザーに送りフィードバックを得て、またプロトタイプに還元して開発に生かしていくかに掛かっている。Expression Blend 3では、この点も重視しており、作成したプロトタイプをSilverlightで閲覧できるファイルとして出力し、関係者がコメントを書き込むことができる。その結果はフィードバックファイルとして保存、開発者がExpression Blend 3で読み込んで、それをまたプロトタイプに生かすというデモも行われ、その有効性がうかがえた。

 さらに Expression Blend 3では、SketchFlowの画面遷移フローや目次、画面プロトタイプのスクリーンショットといった情報をWordファイルに出力できる。要件定義書の作成は意外に面倒な作業だが、その効率化にも一役買ってくれるだろう。


「いろいろな視点の集合体であるべき“UI”を作るための
プロトタイピングとユーザビリティテスト」―Specialセッション

 エクスペリエンスを向上させる方法論として有効とされるプロトタイプだが、そもそもプロトタイプとは何なのか。どう作ったらよいのか。それを開発のワークフローにどのように組み込んでいけばよいのか。疑問に思う方も多いだろう。最後に行われたSpecialセッション『プロトタイプとワークフロー』でビジネス・アーキテクツ インフォメーションアーキテクト マークアップエンジニア 伊原 力也 氏は、この疑問について制作現場の視点から丁寧に答えてくれた。

ビジネス・アーキテクツ インフォメーションアーキテクト 伊原 力也 氏
ビジネス・アーキテクツ インフォメーションアーキテクト 伊原 力也 氏

「プロトタイプという言葉を聞いたときに、人によって思い浮かべるものが異なりますが、今回は最も広義と思われる『ある時点で、誰かに見せて、意見を収集するための、ある部分では本物っぽい何か』をプロトタイプと呼ぶことにします。この枠に留まるものでも、多くの形態のプロトタイプが存在します」(伊原氏)

 制作を円滑に進めるためのプロトタイプのはずが、プロジェクトを進めていくと“問題”が起きる。システムの発注側の担当者とその発注会社チーム内、制作者本人とその制作会社のチーム内でさえ、どんなUIにするべきかの意見が異なるのに、発注側が“自分たちはエンドユーザーではない”ことを理解していない場合も加わると、さらなる錯覚と混乱を生む。伊原氏は「開発しているアプリケーションは、発注側のものでも制作側のものでもありません。エンドユーザーのためのものです。ユーザーのことを考えて開発するには、実際にユーザーに“もの”を見てもらう“ユーザビリティテスト”が必要です」と強調する。

 テストのためのプロトタイプをどうやって作り、どのようにワークフローに取り込めばいいのかについては、@IT記事「開発現場のUIトラブルを解決!? 画面プロトタイプ入門」「プロトタイピングでUIデザインの失敗にさようなら」をご参照いただくとして、ここでは伊原氏が話したプロトタイプ作成時の注意点を最後に紹介しよう。

 その注意点とは「プロトタイピングツールは1つだけではなく組み合わせることもできる」「プロトタイプを1人で作らない」「作ったものは捨てる覚悟で」という3点だ。特に「1人で作らない」という注意点に関しては、伊原氏が次のように話したことは、制作現場の意見として印象深い。

「プロトタイプを1人で作り上げてしまうと、テストのときにボロボロになってひどく落ち込みます。複数人の意見を聞きながら作った方が、テスト後も犯人探しにならず、建設的な議論ができるでしょう。そもそも、プロトタイプに限らず、UIはいろいろな視点の集合体であるべきです。主担当者は決めつつも、議論を重ねて作りましょう」(伊原氏)

 なお伊原氏のセッションに関して受講者から「講演資料を電子ファイルで欲しい」との要望があったので、以下に貼り付けたうえに下記画像よりダウンロードできるようにしておいた。ぜひご一読を。

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アイティメディア 営業企画
制作:@IT 編集部
2009年11月20日

@IT リッチクライアント カンファレンス?
イベントレポート インデックス
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