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NECのWebOTXと連携するパートナーの製品やソリューションをサービス基盤の視点から紹介するWebOTX WORKS Partner Voices、第3回は企業間、企業内のデータ連携を支える、セゾン情報システムズの「HULFT」に注目しよう。
「システムとシステムをつなぐ」を一手に引き受ける |
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仮想化、シンクライアント、Ajaxをフル活用したWebアプリケーション……いま技術者が注目している分野では、めざましく発展した技術を取り入れたシステムが花盛りである。このような最新技術ばかりに目が向きがちであるが、実際のシステム構築は「すべてイチから作る」ということはまれであり、既存のシステムとの連携が不可欠だ。そしてその既存のシステムとは、勘定系などで安定稼働を続けるメインフレームやオフコンである場合も多い。それらのシステムとの連携を取るために、システム構築では異機種間のバッチ/ファイル連携方式が重要な課題となる。
セゾン情報システムズが開発した純国産の企業内・企業間通信ミドルウェア「HULFT」はそのような“ファイル連携”を一手に引き受ける。HULFTはマルチプラットフォームでのシステム間連携を実現するために、1993年からインターネット標準プロトコルのTCP/IPに着目し、共通プロトコルとして採用。ファイル転送処理機能だけではなく、それに伴う「送達確認」「ジョブ連携」「暗号化」「履歴確認」などの機能を1つのパッケージにしたものだ。
HULFTは「バッチ処理の強い味方」 |
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1990年前後、IT業界は「ダウンサイジング」という言葉を多用していた。PCやUNIXワークステーションの性能が実用レベルに達し、従来の汎用機ベースで行っていた処理を、より安く実現できるようになり、システム構築の考え方が急激に変化した時代であった。
しかし汎用機ベースで作られていた勘定系などのシステム自体がすぐに変化することはなく、ほとんどのシステムは汎用機で作られた安定稼働中のシステムに加え、最新の技術と使いやすいオープンシステムを併用するかたちでの「ライトサイジング」なシステムを構築していた。さまざまなプラットフォームが混在するため、その間の接続、具体的にはファイル転送の仕組みが必要となる。
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セゾン情報システムズ 営業本部 HULFT営業部 営業支援課 課長 玉田 徹氏 |
この部分を引き受けているのがセゾン情報システムズの「HULFT」である。ファイル転送だけではなく、それに関連する機能を一手に引き受けるこのパッケージの歴史は長い。
セゾン情報システムズ HULFT営業部 営業支援課 課長の玉田 徹氏は「バッチでのファイル連携については『ファイルさえ作っておけば、あとはHULFTがやってくれる』とお客様が考えてくれるようになった」と語る。企業間のネットワークでも双方のシステムにHULFTが導入されていることが多く、「では、企業間通信もHULFTでやりましょう」ということも珍しくないという。
「ファイル転送ならHULFT」――しかし、システム連携の手法はファイル転送だけではない。確かに90年代はバッチ/ファイル連携が主流であった。それがエンタープライズアプリケーション統合(EAI)となり、XMLでシステム間の情報を共有するなどの流れも本格化してきている。この部分の対応に、セゾン情報システムズはパートナーとしてNECのサービス実行基盤「WebOTX」を選択した。
メッセージ連携とファイル連携は排他なものではない |
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情報システム部は大きなジレンマを抱えている。ユーザーとのインターフェイスとなる部分はWebアプリケーションでまとめたい、しかしバックエンドのシステムは安定稼働しているメインフレームベースのシステムに手を加えずに利用したいのが本音だ。「フロントエンドシステムの高機能化」と「バックエンドシステムの硬直化」が同時に進む状況で、双方の強みを生かして再構築するには、間を取り持つ連携システムが重要である。
このシステム間連携に、WebOTXはSOA基盤「WebOTX Enterprise Service Bus(ESB)」、セゾン情報システムズはJMS/Fileアダプタを提供している。JMSインターフェイスによって、ESBのメッセージキューとHULFTが連携し、双方のシステムが透過的に接続できるという仕組みだ。
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WebOTX ESBとHULFTがシステムとシステムを結ぶ |
このとき、ファイル連携とメッセージ連携の両方が利用可能であることに注目したい。例えばWebアプリケーションとして構築された業務システムから、既存の勘定系システムへと連携したい場合を考えよう。Webアプリケーションからはリアルタイムに処理が発生するが、既存システムがファイル転送によるバッチ処理インターフェイスしか持っていない場合もある。既存システムは安定稼働しているので、なるべく手を入れたくないというのが本音だろう。
そのデータ連携をESBが仲立ちする。ESBがメッセージをファイルに蓄積し、一定期間ごとにそれを既存システムに転送、バッチ処理を行うような仕組みが構築できる。この方法であれば、既存システムに手を加えることなく、フロントエンドは存分に最新のテクノロジーを使ったシステムを構築できるのだ。
ESBを活用して企業システムをSOAで構築することで、これまでの点と点を結ぶデータ連携が、線や面で連携可能となる点を見逃してはいけない。また、最新テクノロジーをシステム基盤に取り入れることは、Ajaxのようなフロントエンドでのメリットだけではなく、NGN、SaaSのような新しいビジネスモデルを企業に取り入れることも可能となる。その担い手となるのが、サービス実行基盤「WebOTX」だ。
「技術の人間がほれた」――NECとの取り組みを語る |
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NECのWebOTXについて、玉田氏は「WebOTXを技術部門が試用してみたが、性能面でも使い勝手の面でも優れており、相性はとてもいい」と語る。しかし同時に「ただ『技術の人間がすばらしい』という製品でも、それだけで『売れる』とは限らない」とも言う。
HULFTは歴史のある純国産のミドルウェアパッケージで、その分、日本のお客様の厳しいチェックがある。玉田氏は「性能がよい、機能があるだけではなく、お客様に評価されるためには『開発元とのコミュニケーションが円滑か』『なんらかの問題があったときに、サポートが受けられるか』『旧バージョンとの互換性はキープできるか』も重要」という。
その点もNECは――「まったく問題ない」。現に、セゾン情報システムズとNECは開発同士、マーケティング同士の交流も盛んであり、2社で実証実験やシステムインテグレーションを行うなど、製品だけのつながりではないということだ。
2008年10月、セゾン情報システムズは顧客の要望を多数取り入れた「HULFT7」をリリースした。ファイル転送から“セキュアなデータ連携”へ――それをセゾン情報システムズとNEC、多くの技術者たちが支えている。
提供:日本電気株式会社
企画:アイティメディア 営業本部
制作:@IT 編集部
掲載内容有効期限:2008年12月21日
● WebOTX WORKS Partner Voices: |
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第3回: 既存システムとの連携に不可欠なピース セゾン情報システムズ 「HULFT」 |
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