[Analysis]
ハードウェアに手を出すウイルス駆除ベンダの野望
2001/11/06

コンピュータウイルスの「CodeRed」や「SirCam」、そして「Nimda」が世界を駆け巡り、ウイルス駆除ソフトベンダは、その対応に追われた。その中で、シマンテックとトレンドマイクロは、10月に相次いで両社“初”のハードウェア製品(アプライアンス)を発表し、この分野に打って出た。これまで、ウイルス駆除を中心としてセキュリティ分野への進出を図り、サービス事業を展開してきた両社が、アプライアンスを販売する意図はどこにあるのか?
ブロードバンドの普及は、家庭やSOHOなどの常時接続を当たり前にする。常時接続環境でウイルスや不正侵入などの脅威から守る第1の対策は、ゲートウェイでのブロックが効果的で、それには専用アプライアンスが有効であると両社は判断したようだ。確かに、今後ブロードバンドがさらに普及すれば、多くのアプライアンスを提供でき、数量が見込め、売り上げに貢献できる。そしてブロードバンドプロバイダなどとのISPと契約することで、サービス分野にも進出できると考えているのかもしれない。
しかし、アプライアンスを投入した2社のもくろみは微妙に異なる。シマンテックは、ソフトウェア、ファイアウォールアプライアンス、サービス/サポートというトータルなセキュリティソリューションのみならず、技術者トレーニング/認定試験、技術サポートまでをも提供し、「企業ユーザー」への安全性を確保していくという狙いがあるようだ。一方、トレンドマイクロは、企業向けソリューションで培ったノウハウを再度コンシューマへ向け、安全性の確保、ホームセキュリティサービスの標準化などを確立しようとしているようだ。
ブロードバンドによる常時接続時代に「企業」と「家庭」の境界線はあいまいになり、両社のマーケットはいずれ重なるだろう。そこに向け、世界を舞台に“安全”を売る両社が、どのような製品・サービスを出してくるのかが注目される。
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