[Analysis]

ヒートアップするアプリケーション・サーバ覇権争い

2001/05/29

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 アプリケーション・サーバは、企業システムに欠かせないコンポーネントといっても過言ではない。企業の戦略でアプリケーションの重要度が増すにつれ、単なるアプリケーション構築のプラットフォームからeビジネスのプラットフォームへとその定義は広がりつつあり、担う役割も大きくなっている。

 アプリケーション・サーバの今後の課題は、Webサービス機能への対応だろう。BtoBのECはXML技術を用いたWebサービスにより、インターネット上のあらゆるアプリケーションと自由に、動的につながり、取引やコラボレーションができるようになる。ガートナーグループによれば、2005年には60%のビジネスアプリケーションがWebサービス対応になるという。

 現在、アプリケーション・サーバの有力なベンダーには、「WebSphere」シリーズのIBM、「WebLogic」シリーズのBEAシステムズ、「iPlanet」のサン、「iAS」のオラクル、「iPortal」のアイオナらが名を連ねている。これらに加え、Webサービスを“.NET”戦略の中心に位置付けて猛ダッシュ中のマイクロソフト、Bluestoneを買収し本格始動したヒューレット・パッカードなども参入し、市場シェア争奪戦は当分続きそうだ。

 開発者のコミュニティ形成を重要視しているあるベンダーの関係者は、「コンピュータが汎用化し始めたときと同じ状態だと思っている」といまのアプリケーション・サーバ市場を見る。まさに、インターネット時代の新しいプラットフォームでの覇権を奪おうと、生い立ちの異なる各ベンダーは野心を隠さない。

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