5年に及ぶ“モグラ叩き”に終止符を
FSFがシスコをライセンス違反で提訴
2008/12/15
GNUプロジェクトで知られる非営利団体のフリーソフトウェア・ファウンデーション(FSF)は12月11日、シスコに対して著作権侵害で提訴したと発表した。2003年に買収した家庭、SOHO向けルータで知られるリンクシスの製品や、シスコブランドの製品の一部でGCC、binutils、GNU Cライブラリなどが使われているにもかかわらず、シスコはこれらに変更を加えたソフトウェアを公開していないため、という。
GNUのソフトウェアの多くはGPLもしくはLGPLで公開されているが、変更を加えて再配布する場合、そのソースコードの開示が義務付けられている。FSFは、シスコがこの利用許諾に従わずに、同社製品利用者からのリクエストに応じてソフトウェアを共有しなかったとしている。
FSFのブレット・スミス氏は、今回の訴訟の理由を説明するブログの中で、シスコ側の度重なるミスや、ライセンス適合に対する消極性を指摘している。問題の発端は2003年にさかのぼる。スミス氏によればGNU/Linuxを利用していたLinksys WRT54Gで発見されたライセンス違反が始まりだ。以後、FSFはシスコと協力して、ライセンスに適合するよう調整を重ねてきたが、1つの問題が解決しても、また別の製品に問題が発見されることがあったほか、対応が不完全だったり公開情報が古いなど、過去5年間は“モグラ叩き状態”だったという。提訴は軽々しい決定ではなく、最終手段に出るのが最善と判断したという。これは何よりもFSFが掲げる理念である、すべてのコンピュータの利用者は、自分が利用するソフトウェアを共有し、改変する権利を持っているということをはっきりさせるためのものだとしている。
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