全世界にまたがるエンドツーエンドなイーサネットサービスを

広域イーサネットが新たな段階、相互接続を可能にする新仕様

2008/09/10

 メトロイーサネットフォーラム(MEF)は9月10日、複数の通信事業者にまたがるグローバルな広域イーサネットサービスを可能にする新しい仕様「E-NNI」を、2009年第2四半期をめどに策定することを発表した。これに沿った認定作業も開始する。

 広域イーサネットサービスは、イーサネット技術をWANに適用したもの。コストパフォーマンスに優れる点を特徴とし、メトロエリアからアクセス、コアネットワークにまで広がってきた。MEFはこの広域イーサネットの技術仕様を策定している業界団体で、シスコシステムズやジュニパーネットワークスといったネットワーク機器ベンダのほか、AT&TやKDDIといった通信事業者がメンバーとなっている。

 新たな仕様は、イーサネットサービスのキャリア間相互接続を実現するもので、「真にグローバルで拡張性に優れた次世代キャリアネットワークが実現できる」(MEF代表のナン・チェン氏)。

 これまで、ある顧客が複数の国で広域イーサネットサービスを利用しようとした場合、国ごとに、別々の通信事業者による異なるサービスを受けることになっていた。しかしE-NNIによって通信事業者が相互に接続されれば、世界どこにいてもエンドツーエンドのイーサネットサービスを利用できるようになる。「キャリアイーサネットにおいても、電話のように、誰に対してもすぐに通信を行える環境を実現したい」(チェン氏)

 MEFは同時に、サービスパフォーマンス管理や障害監視、リンク保護などについて定めた仕様「MEF 20:ユーザーネットワークインターフェイス(UNI)タイプ2」も策定する。この仕様を活用して管理を自動化することで「通信事業者は、オペレーションコストを減らしながら、変化に応じたサービス管理を行えるようになる」(チェン氏)という。

 さらに、グローバルなサービス展開を支援するため、通信事業者間のサービス相互接続についてまとめた文書や、世界各地域でどのような事業者によってどういったイーサネットサービスが提供されているかを確認できるグローバルサービスディレクトリといったツールを用意。こうした取り組みを通じて「事業者の相互接続を促進し、全世界にまたがるエンドツーエンドのイーサネットを現実のものとしていきたい」(同氏)としている。

(@IT 高橋睦美)

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