これまでの「ミラクルのイメージ」を広げる

ミラクル・リナックス、Atom搭載端末も含めた新戦略を発表

2008/07/01

 ミラクル・リナックスは7月1日付で、経営陣を刷新した。これまで代表取締役社長を務めてきた佐藤武氏が取締役会長に就任。新社長兼最高経営責任者には、営業および戦略推進の責任者などを務めた児玉崇氏が就任する。

 同社は併せて、「第二の創業」と称する新戦略も発表した。これまで手掛けてきたエンタープライズ/情報系の事業に加え、通信分野向けのアプライアンスや組み込みといった分野にも手を広げ、「これまでのミラクルのイメージから広げていく」(佐藤氏)という。

miracle01.jpg 7月1日付で代表取締役社長 最高経営責任者に就任した児玉崇氏

 また新社長の児玉氏は、今後のビジネスについて「製品としては地味だけれど、長く安定して使える製品を作ることが大事。息の長い、日本人に愛される製品を作っていきたい」とし、引き続きディストリビューション「Asianux」の開発、サポートを長期にわたって提供していく方針を示した。同時に、Oracleデータベースやハイアベイラビリティといったその上で展開されるソリューションや、統合監視ツール「ZABBIX」による運用監視/メンテナンスなどのサービスも展開していく。

 さらに、Linux応用分野の拡張として、新たにモバイルインターネットデバイス(MID)の分野に手を広げていく。インテルのAtomプロセッサを搭載した低価格PC上で動作する専用ディストリビューション「Aisianux Mobile Midinux Edition」を提供していく。すでにレノボ、ハイアールなどのベンダと組んで製品化を進めている。なお、MIDの開発には、これまで取締役CTOを務めてきた吉岡弘隆氏が、取締役を退任し、シニア・エキスパートとして携わっていくという。

miracle02.jpg

 「いまのWindows Mobileベースの端末では、PCの動画などをそのまま再生できない。これに対しMIDは、PCの機能をそのまま使えるというのがポイントだ」(児玉氏)。コンシューマー市場への展開もあり得るが、まずは、外回りの営業や工場で利用される産業用コンピュータなど、ビジネス市場での展開を狙っていくという。

 ミラクル・リナックスではこうした新規事業も含め、今後3年間で90%の売り上げアップを目指していく計画だ。

 同時に「われわれのコアコンピタンスはエンジニア」という考えに立ち、コミュニティにも貢献していきたいとしている。「エンジニアが活躍できる楽園を作りたい」(児玉氏)

(@IT 高橋睦美)

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