エクストリームがデータセンター向け新スイッチ
いまあるラックを生かして高密度の10GbEを
2008/06/20
エクストリーム ネットワークスは、Interop Tokyo 2008に合わせ、データセンター向けのスイッチの新製品「Summit X650シリーズ」を発表した。
同シリーズは、1Uサイズのラックの中に、24ポートの10ギガビットイーサネット(10GbE)を搭載したレイヤ3スイッチだ。拡張モジュール(Versatile Interface Modules:VIMモジュール)を利用すれば、1システムで最大32ポートの10GbEを搭載できるうえ、スタッキングにより最大256ポートの10GbEを収容できる。
VIMモジュールは、既存のSummitスイッチとのスタックにも利用できる。ギガビットイーサネット対応の「Summit X450a/e」や100Mbps対応の「Summit X250e」など、既存のエッジスイッチを生かしてスタックすることが可能だ。

Interop Tokyo 2008に合わせて来日した米エクストリームネットワークスのワールドワイド・テクニカル・ディレクター ブラッド・シェイファー(Brad Shafer)氏は、10Gbps対応のサーバ用ネットワークアダプタやブレードサーバの登場により、スイッチ側がギガビットイーサネットだけでは足りなくなっていると述べた。かといって、シャーシ型製品の場合はスペースが必要だし、電力もより消費する。Summit X650シリーズは、省電力・省スペースでより高い密度で10GbEを収容できるため、こうした課題を解決できると同氏は述べた。
「多くの企業は、データセンターに置いた1つのラックの中にサーバやストレージ類を格納し、一番上にスイッチを収容している。Summit X650シリーズでは、隣に新たなラックを用意しなくても、いま使っているラックでそのまま10GbEを導入できる」(シェイファー氏)。この結果、より高いパフォーマンスと省電力という相反する課題を、データセンターにおいても両立できるとした。
エクストリームではこの数年間、スイッチの部品点数そのものを減らすだけでなく、部品の選択にも注力することで、「パフォーマンスを犠牲にすることなく、省電力化、グリーン対応を図ってきた」(シェイファー氏)。Summit X650シリーズは、ワイヤリングクローゼットだけでなく、より密度が高まるデータセンターで、「省電力と高パフォーマンス」を実現するものだと同氏は述べた。
シェイファー氏はまた、ギガビットイーサネットの普及時と同様、ファイバチャネルから銅線への移行が発生するだろうと予測している。それがコストを大幅に下げ、10GbE普及の起爆剤になるだろうともいう。「ファイバチャネルはプロトコルとしては生き残るだろうが、物理的接続メディアとしては消えていくだろう」(同氏)
今後同社は、ソフトウェア面では、セキュリティおよび仮想化対応を追求するという。仮想化については、VMwareなどのベンダと協力して、仮想化された環境上とスイッチとの親和性を高めていく。例えば、仮想化された環境からスイッチの設定やセキュリティ管理を容易に行えるようにしたり、システム障害時にサーバイメージを瞬時に別のVLANに移動させるといった作業を簡単に行えるようにしていく計画だ。
またセキュリティに関しては、有線/無線の両方で、ネットワークインフラの中にセキュリティを統合させていく。つまり、同社のIDS/IPS製品「Sentriant NG」でネットワークの状況を監視し、脅威を特定したらスイッチ側に「このトラフィックを止めろ」と指示し、ネットワーク全体をカバーする仕組みを提供していきたいとしている。
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